LIFE

原田 陽子

2021.05.14

流しの洋裁人の「流れるママ日記」 03

今回は富士吉田市での出産体験について書こうと思います。

私は移住3年目の2020年5月に人生初の出産をしました。

時はまさにコロナ元年で、実母(岡山在住)も義母(都内在住)とも離れて暮らしており、妊娠も出産も子育ても未経験な移住者夫婦2人で、里帰りもせずなんとか乗り越えました。

お互いに別々の仕事をしている自営夫婦のため、時間の融通が利きやすいこともありましたが、地域の人々の助けがあったからにほかなりません。

お腹が大きくなるにつれ、出産ってどんな感じなんだろうという恐怖や不安が募るなか、コロナのおかげで唯一頼りにしていた母子学級が中止に。

しかしながら、その大きなお腹のおかげで、街の人から「予定日はいつ?何か月?私は1人目より2人目が大変でね」など話しかけられることが増え、たくさんのママ友ができた気持ちでした。

フリーランスに戻った矢先でもあり、動けない収入ゼロ期間をどう乗り越えようかと思っていましたが、機屋さんがお仕事をくれて、なんとか希望もつなげました。また、機屋の奥さんたちが自営の大先輩として、仕事をしながらの子育ての話を聞かせてくださったりして、なんとかなるのかなと思えていました。

出産は突然に。

機屋さんと合同展示の打ち合わせをして仕事場に戻り、服の発送作業をしていたら破水。予定日より3週間早かったです。「なんじゃこりゃ?? もしや破水? いや、聞いてたのと違うぞ。陣痛が最初じゃなかったのか?? 入院準備まだだよー。出荷予定の服どうしよ。あ、来週の機屋さんとの出展どうしよ」なんてことを考えながら、病院のベッドへ向かいました。

無事に息子が誕生したものの、育児グッズが揃ってないまま。そこへ救世主。移住当初より世話を焼いてくれる先輩移住者が、妹さんの子育てを参考に各種取り揃えて届けてくれて、旦那さんの数倍助かりました(笑)。

育児グッズは富士吉田のもの
母子手帳ケースは〈光織物〉
救世主より頂いたおくるみとハンカチも〈前田源商店〉

2週間後にはぼちぼちと仕事を再開。自営の移住核家族なので、仕事中は息子も一緒に、なんて日もしばしば。機屋さんとの打ち合わせや商談の際に、奥さんからいろいろと子育てアドバイスを受けられるので、実家に帰る必要性がありませんでした。また自宅の大家さんが産婦人科で働いた経験があり、授乳相談に乗ってくれたり、仕事場の大家さんもお昼ご飯を届けてくれたりと何かと世話をやいて下さいました。

〈テンジン〉さんとの商談中に寝る息子

生地を受け取りに行ったときに〈舟久保織物〉さんに抱かれる息子

今まで移住者だとなかなか地域に溶け込むきっかけがなくて、私の場合は唯一、仕事を通してつながりをつくってきてはいたのですが、子どもが生まれてパイプがひとつ増えたように思います。

「子どもがいることで行政や地域とのつながりがまた生まれる。声をかけてくれる街の人が増える」。

日々、息子がつないでくれた街とのつながりに感謝しながら、子育てをスタートしています。

さてもうすぐ息子が1歳になります。

富士吉田市のお菓子屋さんに「しょいもち(一升餅)」と「赤飯」を予約して、楽しく祝いたいと思います。

移住して〈槙田商店〉や〈川栄〉で働くハタジョ(機屋さんで働く女子)も揃って出産。
前に座る二人は同日生まれという奇跡

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原田 陽子

流しの洋裁人

1984年晴れの国岡山生まれ。武庫川女子大学生活環境学科卒業後、岐阜のアパレルメーカーの営業職に。「服は機械で自動生産されると思っていた」を耳にしたことをきっかけに、全国各地へミシンや裁縫道具を持参し、その場にいる人を巻き込みながら洋裁の光景をつくる活動を、2014年9月から開始。現在、山梨県富士吉田市にベースキャンプを構え、全国へ流している。洋裁という行為を媒介に、人や場、文化の廻船的役割を担うことを目指している。

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