「地域で暮らす」って、どんなことだろう?
実際に体験しないとなかなかわからないその生活の実態。
お二人目は、おばあちゃんの実家近くである“大好きな地元” 富士吉田に暮らす、
雑貨店勤務の女性・前田さんにお話を伺いました。
前田さんの、とある夏の一日
富士吉田市に住み始めて、もうすぐ2年。もともと「手作りすること」が好きで、地元・富士五湖地域が好きだったという前田さんにとっては、いまの生活に至るまでの道程はとても自然なものだったという印象を受けます。
「短大への進学をきっかけに静岡県に引っ越したのですが、卒業後すぐに実家のある富士河口湖町に戻ってきました。友達にも地元に帰るという人が多かったのもあり、特に他の地域に出たいというよりは、このあたりに住むことをイメージをしていました。」
その後、近隣の道志村での仕事と生活を経て、富士吉田市に住まいを移したという前田さん。
富士吉田市に来ることになった経緯はどんなことだったんでしょうか?
「いま働いている雑貨店、『LONGTEMPS(ロンタン)』がリニューアルするタイミングで、知人から紹介されたのがきっかけでした。でもその前から、富士吉田には母方の実家があって、祖父母のところによく遊びにいっていたのでとても馴染みがある街でした。初詣も、下吉田の神社に行っていたんですよ。古い街並みの感じも好きで、河口湖よりこっちが地元という感覚が強かったです(笑)。」
地元のような親しみのあるまち、富士吉田での懐かしくて新しい生活。いわゆる I ターンと U ターンの間、“ J ターン” というんでしょうか。
お店では接客を中心に、納品された雑貨の受取や陳列、掃除、お店のイベントのチラシやカードなどを作ることもあるそうです。 常連のお客さんも多く、スタッフも仲良し。いつも3時過ぎにはみんなでお茶の時間を楽しんでいます。
そして勤務の傍ら、様々な手作りを楽しむ暮らしを送っていらっしゃるという前田さん。
「特に、料理やお菓子づくりをするのが好きで、お休みの日にまとめていろいろつくることが多いです。 最近よくつくるのは、野菜の重ね煮。平日もお昼は家に帰って自炊しているんですが、簡単にアレンジできるので便利ですよ。あとは梅のシロップを仕込んでおいて毎朝お水や豆乳で薄めて飲んだり、桃をいただいたらムースゼリーにしたり。」
そして食事だけではなく、その素材を自分の手で育てることにも興味があるといいます。
「休日や出勤前に時間があるときは畑に行きます。お店の近くの土地で、父と一緒にやっていて、いまは大豆に挑戦しています! 去年は枝豆で終わってしまったんですが、今年こそは、自分で収穫した大豆をつかって味噌を仕込みたいと思っています。」
畑仕事の様子も、とっても様になっていますね。 ほかにもお休みの日には図書館でのんびり本をめくったり、お気に入りのカフェでお母さんと一緒にお茶したりすることも。
「富士吉田は、田舎過ぎず、都会過ぎず生活にちょうどいい感じがします。富士山とか豊かな自然がある一方、 首都圏にも行きやすいですし。何より私は、地元が好きだから、これからもここで暮らしていきたいなあと思います。」
自分らしく、好きなことを大事にしながら、好きな街で暮らしていく・・・そんなあり方がとても印象的な、 前田さんでした。