FUJIYOSHIDA DIARY MAGAZINE

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黒須 美咲

2022.09.06

富士吉田移住のリアルライフ File.3

「富士吉田市に移住した人は、実際どんな暮らしをしているの?」

「富士吉田移住のリアルライフ」では、富士吉田市へ移住し、仕事・遊び・創作・自然派ライフを楽しむ人たちへの実録インタビューを連載していきます。


File.3
飯野直美さん Naomi Iino

PROFILE

山梨県韮崎市出身。2010年に富士吉田市へ県内移住。富士吉田市役所 地域振興・移住定住課で働いています。






ふらっと来てみたら“住みたい場所”に

Q. 移住のきっかけは何ですか︖

高校まで韮崎市で育ち、都内の大学を卒業してから数年間も韮崎市で働いていました。富士吉田市へ来たきっかけは母の実家があったからです。空き家になっていたので、ちょうど20代中盤でのんびりしたいなと思うようになりふらっと来ました。その時は、まさかそのまま移住するなんて考えていなかったですけどね(笑)

Q. 県内移住の決め手は何ですか︖

同じ山梨県内でも富士吉田から見る富士山は一層迫力があり、魅力を感じました。また、スーパーが多く利便性も良いですし、親戚に教えてもらったエアロビ教室で富士吉田に住むみなさんのあたたかさにふれて、このまちに住みたいと思いました。





元気にしてくれた富士吉田への恩返し

Q. 仕事はどのようにして決めましたか︖

富士吉田市にふらっと来た時は「疲れてしまった自分を回復させるためにのんびり過ごそう」と思っていたのですが、ここで暮らしてみたらすぐ元気になりました。
もともと人と関わることが好きですし、「自分を元気にしてくれた富士吉田で地域貢献がしたい」という思いが生まれ、市役所の試験を受けました。無事採用され、現在も市役所に勤めています。

Q. 今のお仕事(地域振興・移住定住課)をするようになったきっかけは?

入職時はまったく違う部署に勤めていました。地域振興・移住定住課の業務に携わることになったきっかけは、入職 9年目で東京にある〈一般財団法人地域活性化センター〉へ派遣されたことです。市役所内で公募があり、当時から地域づくりに興味があったので、全国の地域づくりについて学べると思い応募しました。

Q. 〈一般財団法人地域活性化センター〉での業務内容や学んだことを教えてください。

主に公務員向け研修の企画・運営、情報誌の発行、調査研究事業などを行っており、全国の先進事例を知ることができました。〈地域活性化センター〉の理念である「地域づくりは、人づくりから」という言葉通り、地域に活力を生むのは「人」であり、イノベーション人材の育成や多様な価値観を交流させる場づくりが重要であることを学びました。

仕事の様子。移住された方へ奨励金の説明をしています。





東京から見えた富士吉田の魅力

Q. 東京へ行ったことで富士吉田市へのイメージは変わりましたか︖

<地域活性化センター>には全国の自治体から職員が派遣されており、私と同じような立場で地域づくりについて熱心に学んでいる人たちと話したことで、富士吉田には魅力がたくさんあるということを再発見しました。

Q. 再発見した魅力をぜひ教えてください。

・東京・静岡・甲府に1時間くらいで行けるというアクセスの良さですね。
・個人商店もあればスーパー、ドラッグストアなどもありますし、おいしいご飯屋さんが多いという部分も住みやすいポイントです。
・「無尽会」(*1)という仲間内で積立や貯金をするのも良い文化ですよね。金融機関がまだなかった江戸時代に、“コミュニティ内で助け合おう”という試みで始まった風習だそうです。その助け合いの精神が今でも続いていて、現在もコミュニティの仲間で集まる際の旅費やご飯代に役立てています。

・名産品の織物も富士吉田ならではの魅力ポイントです。〈地域活性化センター〉に勤めていたときに、私物の織物グッズを「かわいい、私も欲しい!」とお客様や他のスタッフから誉められました

郡内織物の私物です





パワフルな人が集まり、街全体が元気に

Q. 移住してから今までの期間で富士吉田市に対して変化を感じたことはありますか?

10年間で様々な人が富士吉田へ集まってきて、社会減(転入者に対して転出者の数が多い状態)も改善されています。移住者の方はパワフルな人が移住してきているイメージがあり、それに感化され地元の人が意欲的になってきて、とても良い雰囲気だなと思います。

Q. 富士吉田に住んで自分自身に変化はありましたか?

アウトドア好きの知り合いが増え、自分もアウトドアが趣味になりました。同僚に登山やキャンプなどへよく連れて行ってもらいます。忠霊塔から新倉山へ向かう途中に御殿というスポットがあり、一時期そこでビールを飲むのが好きでした。よく遭遇する地域の登山グループの方たちに「ビールの姉ちゃん」と呼ばれるくらいビール休憩が定番になっていました(笑)

アウトドアが好きになり、富士山にも挑戦してきました!





人と人が繋がり、チャレンジを応援できる街へ

Q. 今後挑戦したいことはありますか?

市役所職員として富士吉田市で何かやりたいことがある人やチャレンジしたい人を支援していきたいです。市内外の様々な企業や個人が繋がることで地域に活力を創出することを目標に、『富士吉田市まるごとサテライトオフィス』(*2)事業も進めています。
また、個人としては東京にいた時に全国各地の知人が増えたので、その方々と交流を続けていくことで富士吉田市のファンを増やしていきたいと考えています

Q. プライベートでチャレンジしたいことはありますか?

以前、〈吉田のうどん〉マイスター(*3)を目指し、数十店舗のうどんを食べ比べしたのですが、全店舗制覇する前に挫折してしまい…。また一からお店を巡って全制覇を成し遂げたいです!





知り合いが増えると自然と馴染める

Q. 移住を検討されている方へ一言お願いします。

移住相談に関しては〈ふじよしだ定住促進センター 〉がきめ細やかなサポートをしているのでぜひ行ってみてください。中長期滞在施設で実際に生活を体験するのもおすすめです。
私自身が移住で一番大切だと思ったのは“市内に知り合いを増やすこと”です。私の場合は職場やプライベートで人情あふれる方々に出逢って富士吉田市に馴染むことができました。仕事でそういう機会がない方も、現在は『ハモニカごはん会』や『まちなかお茶会』(*4)があるので参加してみるといいと思います。
また、富士山駅ビルに新しくできたコワーキングスペース〈ドットワークPlus〉にもいろいろな人が集まっているので、お気軽にお立ち寄りください。レトロな飲み屋が立ち並ぶ西裏地区にも一人でふらっと行けるお店がたくさんあります。そこで地元の人とお話してみるのもいいのかなと。私も案内しますので、移住を検討されている方はぜひご連絡ください!

インタビューの様子





*1 …山梨県には古くから「無尽」というコミュニティが存在します。冠婚葬祭やまとまったお金が必要な時に、コミュニティ内で助け合うという慣習です。その無尽のメンバーで月1ペースで定期的に集まる食事会は「無尽会(むじんかい)」と呼ばれています。しかし、ただ集まるだけではなく、食事会の中で会計係が食事代とは別に「積み立て金(つみたてきん)」を徴収します。徴収された一年分の貯金を、誰か一人がお金を必要とした時にメンバーで話し合って崩し、決まった金額を預金口座から引き落として渡します。

*2…山梨県富士吉田市全体を使って、様々な事業者が市内に自分のサテライトオフィスを手軽に持つことができる取り組みです。通常サテライトオフィスを設ける際には企業や団体が1つの場所を借りて運用しますが、まるサテでは市内の様々な場所にワークスペースを用意し、それらのワークスペースを複数の事業者がシェアすることによって、安価で導入リスクの少ないサテライトオフィス勤務地を構えることができます。

*3…『吉田のうどんマップ』に掲載している全47店舗(2022年現在)を制覇した者だけが得られる称号。

*4…『ハモニカごはん会』(ハモニカ横丁本館でのごはん会)や『まちなかお茶会』(よしだの暮らしの相談室でのお茶会)については〈よしだの暮らしの相談室〉へお問合せください。TEL: 080-4170-3776

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黒須 美咲

〈ふじよしだ定住促進センター〉スタッフ

東京都国分寺市出身。大学卒業後、都内の会社を2社経験。人材開発やキャリアコンサルティングの仕事に携わる中で ”暮らしの質” に興味を持つようになる。
「豊かな自然があり利便性も良い地域で暮らしたい」という思いから、2022年10月に夫・娘と共に富士吉田市へ移住。自然はもちろんのこと、”人々の心の豊かさ” という富士吉田の魅力を発見し、人との出会いを楽しんでいます。

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tel:0555-73-9438
fax:0555-73-9438

▽よしだの暮らしの相談室(移住相談窓口)
〒403-0004 山梨県富士吉田市下吉田3-6-24
平日10:00~18:00(土日祝は事前予約により応相談)
tel:080-4170-3776