FUJIYOSHIDA DIARY MAGAZINE

FRPC

黒須 美咲

2022.11.21

富士吉田移住のリアルライフ File.5

「富士吉田市に移住した人は、実際どんな暮らしをしているの?」

「富士吉田移住のリアルライフ」では、富士吉田市へ移住し、仕事・遊び・創作・自然派ライフを楽しむ人たちへの実録インタビューを連載していきます。


File.5
中川宏文さん Hirofumi Nakagawa

PROFILE

長崎県出身。東京理科大学大学院修了後、都内の設計事務所〈O.F.D.A.〉に勤めながら富士吉田市地域おこし協力隊として活動。協力隊卒業後も、建築家として東京と富士吉田の二拠点生活を継続中。






縁が繋がって始まった二拠点生活

Q. 富士吉田を知ったきっかけを教えてください。

大学院在学中に『富士吉田地域デザインコンペティション』(※1)の募集があり、後輩と一緒に応募しました。フジファブリックは知ってましたが、富士吉田という街があることはその時に初めて知りました。

Q. 富士吉田で生活をすることになったきっかけは何ですか?

『富士吉田地域デザインコンペティション』で最優秀賞をいただき、製氷工場だった建物を《旧富士製氷工場コンバージョン》(※2)としてリノベーションすることになりました。その完成までの約1年半、東京と富士吉田を往復して二拠点生活をしていました。
工事完了後、〈⼀般財団法⼈ ふじよしだ定住促進センター〉の当時の理事長から僕が勤めている設計事務所の所長へオファーがあり、東京の事務所で働きながら富士吉田市地域おこし協力隊として活動していくことになりました。
「まだ二拠点居住は一般的ではないけど、今後きっと二拠点居住の人も増えてくるだろうから中川くんやってみてよ」と所長に依頼され、二拠点居住が始まりました。

旧富士製氷工場コンバージョン|1Fと2Fが保育施設、3Fがオフィス(※2)






二拠点生活の実体験、教えてください!

Q. 二拠点生活でのお仕事。実際、どうやってバランスをとっていますか?

当時(2016年)はまだ二拠点生活をしている人が全然いなくて、オンラインで打ち合わせができる環境もなかったので、週2回東京と富士吉田を往復していました。
月・火は東京、水・木は富士吉田、金曜日はまた東京…という感じです。
富士吉田に滞在しているときは地域おこし協力隊としての仕事をして、東京では設計事務所の業務をしていました。
2020年頃からは業界でもリモートワークが主流になり、オンラインで打ち合わせができるようになったのでめちゃくちゃ仕事をしやすくなりました。
今は東京の事務所に週1回行くくらいです。ほとんど富士吉田の自宅で仕事をしているので、なかなか家から出なくなりました(笑)。

Q. 富士吉田でのお仕事について教えてください。

2017年から富士吉田で仕事をはじめて5年半が経ち、企画で終わったものもありますが、大小70個以上のプロジェクトに携わらせていただきました。設計だけでなく、市のプロジェクトの企画メンバーとしてのお仕事、市内のビールのお店の改修案件、街歩きサインのデザインディレクションなど、仕事内容はさまざまです。ありがたいことに東京よりも富士吉田の方がたくさんのお仕事に関わる機会があります。

Q. 二拠点生活中の住まいはどうしていますか?

二拠点生活を始めてからしばらくは東京のアパートを借りていました。富士吉田市に滞在するときはホテルを利用したりしていたのですが、リモートワークができるようになってからは都内に住むメリットをそんなに感じなくなって…。
ちょうど富士吉田での仕事も増えてきたので、富士吉田にアパートを借りることにしました。逆に東京へ行くときはホテルを利用しています。
東京では1Kで家賃75,000円でしたが、今は同じ家賃で2LDKの家に住んでいるので、家賃を比べるだけでも生活のしやすさの面で、引っ越して良かったと思うことが多いです。

インタビューの様子






富士吉田、東京、それぞれの楽しみ方

Q. 富士吉田に住んでよかったと思うのは、どんなところですか?

よく料理をするんですけど、野菜が安くて新鮮です。水も美味しいです。東京に住んでいた時と比べて生活費がかからなくなったので、その分貯金に回せるようになり、貯金に目覚めました(笑)。
あとは人も優しいですね。みんな食べ物をお裾分けしてくれたり。“良い人”の次元が違うんですよね、東京にいた時は目を合わせて笑顔で挨拶してくれただけでも「なんていい人なんだ」って思うのに(笑)。

Q. 都内に住んでいた時と比べて、富士吉田の住み心地はどうですか?

東京は全てが狭いですよね。空も狭いし、家の間隔も狭くて、近所の物音がうるさかったり。東京に住んでいると、“人に踏み入れられたくない距離間”に勝手に踏み入れられちゃうみたいなことはあります。だから、なかなか行きつけのお店も見つけづらくて…。
富士吉田では心地良い距離間で人と関わることができています。
僕は結構一人が好きなんですけど、誰かと話したくなる時もあります。そんな時にふらっと〈LONGTEMPS〉(※3)に行って、買い物してコーヒーをいただいて…みたいな自分を整えられる場所が市内に点在しているのが嬉しいです。
富士吉田には、居心地良くて行きつけにしたくなるような場所がたくさんあります。

Q. 東京へ行く時はどのように過ごしていますか?

都内滞在中は定宿にしているホテルがあって、利用し始めて1年半くらい経ちました。
今ではホテルのみなさんと知り合いになり、呑みに行ったり誕生日をお祝いしてもらったりするほど仲良くなりました。富士吉田に移住したことによって新たにみつけた東京での楽しみ方です。
洋服を買いに行くのも髪切りに行くのも東京の決まったお店に行きます。「お久しぶりです」ってちょっと話に行く感じがちょうど良くて。
富士吉田で生活をしながら、東京にいる人たちにも定期的に顔を見せに行く。そんなリズムでバランスが取れています。

「野菜が安くて新鮮。」と話す中川さん。よく週末に作り置きをしています。






今後の課題やチャレンジしたいこと

Q. 富士吉田に対して、「もっとこうだったら良いのに」と思うことはありますか?

単身向けの家が少ないですね。富士吉田に関わらず、日本って単身向けのインフラが整ってないように感じます。「おひとりさまに優しい街 富士吉田」とか素敵じゃないですか(笑)?ニーズがあると思います。

Q. 中川さん自身が今後チャレンジしたいことはありますか?

ソロキャンをやってみたいと思い、何を揃えたらいいか調べています。家の中では「おひとりさま」を極めたので、外でも「おひとりさま」を極められたらと思います(笑)。




※1… 富士吉田地域を舞台に、「地域のクリエイティブの拠点となる物件改装」「地域産品を活用したプロダクト」「地域を活性化する政策/プロジェクト」のデザイン及びアイデアを募集した企画(2014年実施)

※2… 元製氷工場の一部を活用し、定住促進センターや保育園などが入る建物へ改装。3年後に工事右側と隣接する建物をギャラリーとお試し滞在施設へ改装。現在の複合型施設《FUJIHIMURO》になった。

※3… 富士吉田市内にある「衣・住」に関するグッズを販売しているお店

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黒須 美咲

〈ふじよしだ定住促進センター〉スタッフ

東京都国分寺市出身。大学卒業後、都内の会社を2社経験。人材開発やキャリアコンサルティングの仕事に携わる中で ”暮らしの質” に興味を持つようになる。
「豊かな自然があり利便性も良い地域で暮らしたい」という思いから、2022年10月に夫・娘と共に富士吉田市へ移住。自然はもちろんのこと、”人々の心の豊かさ” という富士吉田の魅力を発見し、人との出会いを楽しんでいます。

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