FUJIYOSHIDA DIARY MAGAZINE

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you FUJIYOSHIDA 編集室

2023.01.27

地域福祉からやさしいまちづくりの一歩へ。人と人とのつながりこそが宝。@ソーシャルハウス 宝島

皆さんこんにちは!you FUJIYOSHIDA編集室です!

本日も2022年11月より富士吉田市で行われた「地元ライター講座」の際に参加者の皆さんが執筆した取材記事を掲載いたします。

毎日1記事ずつ掲載していきますので最後までどうぞお楽しみください。

※本記事は、You FUJIYOSHIDAを運営するふじよしだ定住促進センターが主催する「地元ライター講座」に参加した富士吉田市民のみなさんが執筆した記事になります。

 取材の目的

 富士吉田市へ移住してきて2ヶ月。地域について学びたいと思い「地元ライター講座」に参加しました。

今回私が取材させて頂いたのは、富士吉田市内で地域福祉をテーマに様々な活動をしている上田潤さん。高齢の生活支援「じばサポ」や自宅を地域に開放した「ソーシャルハウス宝島」、高齢者との日常を綴ったインスタマガジン「しわじわ」等の地域活動を行っています。

私自身前職で介護の仕事をしていたこともあり、上田さんの活動に興味を持ち、地域福祉に携わる楽しさややりがいをテーマに取材させて頂きました。

 地域福祉は「住民同士の助け合い」。特別なことではなく、一緒に楽しく暮らすことが大事 

ーー上田さんが考える“ちいきふくし”の活動って?

 上田さん:自分の中で福祉のとらえ方は変わってきていて、「そもそも僕がやりたいのは福祉じゃないのかもしれない」とすら思っています。福祉という言葉は、支援する制度や手段の意味があるけれど、支援される側とする側という明らかな境界線が存在してしまうんです。ただ、活動を伝える際に「福祉」や「地域福祉」という言葉を使うことで、イメージとして伝わりやすいから使っている感覚です。

僕が考える地域福祉は、住民同士の助け合い。「一緒に楽しく暮らせたらそれだけで良いよね」「みんなで支え合っていこうよ」。そんな地域のつながりを作るための土壌作りだと思っています。

ーー活動する中で色んな方と出会ったと思うのですが、印象に残ったエピソードがあれば教えて頂きたいです。

 上田:自宅を地域開放したソーシャルハウス宝島は、「来たい人が好きな時に来れば良い、一緒にいたらそれだけで楽しいよね」そんな思いで運営をしています。

宝島では色んな出会いがあって、特に印象に残っているのは、“末期がんで余命わずかなおばあちゃん” と “会社をやめて生きるのが辛いと言っていた女性”を同じ地域サロンの日に呼んでみたんですよ。おばあちゃんの方は社交的で明るくて、女性の方はあんまり喋るのは得意じゃなかったかな。そんな2人が自然にしゃべってて、女性はめちゃくちゃ笑顔で帰って行ったんです。

出会うはずもなかった2人が出会って、すてきな作用が起こる。それが“宝”。それをみんなで掘り起こしていく、それが“宝島”だと思っています。

 介護や福祉の目的は「支援」ではなく「自立」すること。違和感が活動への原動力

ーーそもそも“ちいきふくし”に携わろうと思ったきっかけは?

 上田:小中学生の頃、同学年の子達がいじめや仲間はずれをするのを見て、「なんで悪意を持って人を傷つけたりしてしまうんだろう」と疑問に思ってました。

そんな中、親が精神保健福祉士の仕事をしていたこともあって、精神障がいを持つ方と直接話す機会があったんですよね。その人達から悪意みたいなものは全く感じなかったし、むしろ心がきれいで素敵だなぁという印象を受けたんです。この人達が世の中から見たら怖いとか、何をするかわからないといったような偏見を持たれているのって、どうなんだろうと感じました。

「誰かをいじめたり仲間はずれにしたりする人達が、どうして”普通”として扱われて生きてるんだろ」って強烈に違和感を持ったことがルーツになっていると思います。僕の活動のモチベーションは、「怒り」ですかね。「納得できないから変えたい」という想いなんです。

 ーー上田さんのように世の中に疑問を抱いて、活動をしていく人は正直まだ多くはなく、自分の生活の安定を求めて働く人が多いのかなという印象を受けています。地域や世間に向けてもっと関心を持つ人が増えればいいなと思うんですが、若い世代へ向けての活動はありますか?
 上田:この周辺は福祉系の大学があるので、大学生と何かと絡めて出来たら良いなと思っています。福祉について学ぶ学生は、現場や実情を知る前に制度や支援のあり方を学ぶ流れになってしまっているので、それは順番が違う気がしています。

介護や福祉は自立の手助けをすることが目的なのに、今はいつの間にか支援することが目的になってしまっているように感じます。本来その人が出来ることまで奪ってしまったり、無理に変えようとしたりするのは違うと思います。

そういった業界の固定概念(こうあるべきだ)を崩して行くのは時間がかかるけど、その人本位の福祉やケアが広まっていって欲しいですね。

 宝島からまちづくりを。第2の家族をつくることが最強のインフラになる

 ーーこれから上田さんがチャレンジしていきたいことについて教えてください!
 上田:ソーシャルハウス宝島を起点に、暮らしやすいまちづくりをしていきたいです。まちを家族と捉える人が増えれば良いな。第2の家族をつくることが、これからの社会にとってとても心強いインフラになってくと思うんです。

日本は先進国の中でも自殺が特に多い。資本主義の考え方からシフトチェンジしていく必要があると思います。弱くてもいい、誰かに頼ってもいい、ちゃんとしていなくてもいい。地域のなかで、もちつもたれつで暮らしていく豊かさをを広めていきたいです。

 まとめ

 ここ数年は新型コロナの影響で、誰かと直接顔を合わせて会話をする機会が少なくなっている中で、改めて地域のつながりの大切さについて知ることができました。

そして、何より上田さんの暖かい人柄がみんなが集まりたくなる空間を作り出していると取材を通して感じました。取材の日の帰り道、心がほっこりして歩いたことを思い出します。本当に貴重な機会を頂きましてありがとうございました。

上田さんの活動についてもっと知りたい方は、you 富士吉田のサイトで記事を見ることができます。下記のURLからご覧ください。

https://you-fujiyoshida.jp/diary/member/012

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