FUJIYOSHIDA DIARY MAGAZINE

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黒須 美咲

2023.07.26

富士吉田移住のリアルライフFile.8

「富士吉田市に移住した人は、実際どんな暮らしをしているの?」

「富士吉田移住のリアルライフ」では、富士吉田市へ移住し、仕事・遊び・創作・自然派ライフを楽しむ人たちへの実録インタビューを連載していきます。

File.8
秋山菜津美さん Natsumi Akiyama

PROFILE
2019年に初めて富士吉田を訪れる。友人と共に畑を借り、首都圏で生活をしながら定期的に富士吉田に通う。2022年5月に富士吉田と東京での二拠点生活を開始。職業はグラフィックデザイナー、兼業農家。最近朝ごはん屋〈sai Breakfast and Cafe〉も始めました。





Q. 富士吉田を知ったきっかけを教えてください。

5年前、友人の後輩である髙橋くんが富士吉田で〈かぎしっぽ〉というお店をオープンしました。(※1)髙橋くんのバンドメンバーであった友人から「後輩が富士吉田でお店をやっているからイベントをしよう」と声をかけられ、デザイナーとして運営を手伝うことになったのがきっかけです。

その後、「畑をやりたい」という友人の発言により、髙橋くんと3人で富士吉田の畑を借りることに。畑のお世話をするために、定期的に富士吉田に通うようになりました。


Q. 移住検討者から「畑をやってみたい」という相談をよく受けます。畑の始め方について教えてください。

畑の探し方については市役所へ相談すると良いです。私たちは個人の方が持っている畑を市役所経由で紹介いただき借りることができました。

地元の農家さんからのアドバイスで最初の1年は土づくりから取り組みました。最初に育てたのは枝豆です。その翌年から本格的に野菜を育て始め、徐々にグレードアップさせていきました。

育て方については市役所から地元の農家さんを紹介していただき、髙橋くんが修行に行って農業を学びました。



Q. 二拠点生活に切り替えたきっかけは何ですか?

畑のためです。3人で畑のお世話をしていましたが、友人が地元に帰ることになり、「せっかく今まで育てたから手放すのは勿体無い。私が畑やるか〜」って思って。

当時、会社に所属してグラフィックデザインの仕事をしていましたが、フリーランスへ転向することにしました。


畑作業に興味がある移住者をお誘いし、秋山さんの畑で農業体験をしました。




Q. 二拠点生活を始めるまでの手順を教えてください。

〈お試し滞在施設NERUTOCO棟〉(※2)に1ヶ月滞在し、畑のお世話をしながら富士吉田の暮らしを体験したり住居を探したりしました。〈NERUTOCO棟〉から畑までの約4キロを自転車で通っていましたが、ひたすら登り坂なので毎回ヘトヘトになりましたね(笑)


Q. 富士吉田に住み始めて驚いたことや新たな発見はありましたか?

驚いたのは寒さです。冬は顔が冷たくて夜中に起きてしまうほど。地元の人に「うち寒いんですけど」というと「それが普通だよ」と笑われてしまいました。地元の人たちはみんな優しく、「電気毛布は絶対買った方がいい」など様々な生活のノウハウを教えてくれます。

新たな発見は「富士吉田は意外と田舎ではない」ということですね。世間一般の「田舎暮らし」には、当てはまらないと思います。スーパーもコンビニもたくさんあって、利便性も良いので。富士吉田は車生活の人が多いので路上では人を見かけませんが、スーパーに行くと店内にたくさん人がいて「実はこんなに人が住んでいたのか」とびっくりしました(笑)


Q. 朝ごはん屋さんを始めたきっかけを教えてください。

二拠点生活をする中で自分自身が朝ごはんに悩んでいたからです。朝食を食べようと思ってもコンビニしかなく、「もっと健康的な朝食を食べたい」と思っていました。富士吉田には朝からオープンしている喫茶店はいくつかありますが、日本の朝食が食べたかったんです。そんな「あったらいいな」の気持ちがきっかけで「自分で朝ごはん屋さんをしてみよう」と思い立ちました。


Q. メニューはどのようにして考案していますか?

「タンパク質を摂れる朝食を出したい」「せっかくなら地元の素材を使いたい」という想いから、〈小林鶏卵〉さんの生卵を使用した卵かけご飯を思いつきました。

最初は卵黄の醤油漬けだけで提供しようと思っていましたが、そうすると卵白が余ってしまうので勿体無いなと悩んでいたんです。すると知人が「卵白をメレンゲにして出す方法もあるよね」と教えてくれて。オープンの2日前にやっと今のメニューが決まりました。

また、フードロスはできる限り避けたいので、味噌汁で使った花鰹をまた調理して小鉢として出したりだとか、どうしても余ってしまった卵白でメレンゲの焼き菓子を作ってドリンクのセットにつけたりだとか。日々試行錯誤しています。

「カラダは食べたものによってできている」とよく言いますが、農家や朝ごはん屋になってから、より一層健康的な食事について考えるようになりました。


ふわふわメレンゲの卵かけごはん

小鉢のメニューは日ごとに異なります




Q. 今後の展望を教えてください。

「繋ぐ」をテーマに考えたり動いたりしています。地元の人と地元の人、地元の人と観光客など、人同士を繋ぐことができるお店になれば良いなと思います。また、都内で富士吉田のポップアップイベントを行うことで、富士吉田の魅力の発信もしていて。富士吉田といろんなところを繋ぐきっかけになれば嬉しいです。

ポップアップイベントのフライヤー(秋山さんデザイン)



Q. 富士吉田の好きなところを教えてください。

気負っていないというか、良い感じに力の抜けている人が多いと感じます。私は人と協力して何かをやったりリーダーシップをとったりすることが苦手ですが、「こんなことしたいです〜」って周りに話していたら、自然と協力してくれるというか…。気の合う友達がまた友達を呼んで、気づいたら気の合う仲間が増えていく、それが楽しいです。


Q.富士吉田へ移住を考えている人へアドバイスやコメントはありますか?

やりたいことが明確な人にとってはオススメの街です。やりたいことが明確であれば、助けてくれる人やアドバイスをくれる人がたくさんいます。逆に「何かしらやりたいです」というあやふやな状態だと、みんな話は聞いてくれるけど、そのまま縁が繋がらないんじゃないかと思います。「富士吉田で何か始めたい」と思う方はぜひ、その「何か」を自分自身で探求してみてほしいです。


インタビューの様子




※1…〈かぎしっぽ〉のオーナーである高橋亮太さんは2017年10月から2019年3月まで富士吉田市地域おこし協力隊として活動。協力隊卒業後も〈新世界乾杯通り かぎしっぽ〉と〈ビール居酒屋 3Peace〉のオーナーとして街を盛り上げています。


※2…〈お試し滞在施設NERUTOCO棟〉は、移住を検討されている方が富士吉田での暮らしを体験するための施設です。



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黒須 美咲

〈ふじよしだ定住促進センター〉スタッフ

東京都国分寺市出身。大学卒業後、都内の会社を2社経験。人材開発やキャリアコンサルティングの仕事に携わる中で ”暮らしの質” に興味を持つようになる。
「豊かな自然があり利便性も良い地域で暮らしたい」という思いから、2022年10月に夫・娘と共に富士吉田市へ移住。自然はもちろんのこと、”人々の心の豊かさ” という富士吉田の魅力を発見し、人との出会いを楽しんでいます。

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