坂本 美紗希

2020.07.22

ハタオリマチのダイアリー04「やさしい壁であるように」

こんにちは。

富士吉田市も今週に入ってから暑くなり、夏らしくなってきました。

〈富士吉田市立図書館〉のスタッフさんから依頼があり、館内受付スペースの飛沫感染防止用のビニールに絵を描きました。

たしかに、最近コンビニ、スーパーなど、どこでもビニールが張られています。

透明で、薄いけれど、以前にはなかった『壁』がそこにはあります。

対策として必要で、仕方のないことではありますが、どこか冷たく、閉鎖的な感じがありますよね。

図書館スタッフの方々は、「図書館利用者さまとの何気ない楽しいおしゃべりがしづらい雰囲気になってしまった」「雰囲気がどこか暗く感じさせてしまう」とビニールから生まれる利用者さまとの距離感をお話されていました。

図書館をよりよい場所にしたいと思うスタッフさんだからこその視点と心遣いに、とても感動しました。

そうか、この1枚があることで、大切な何かが失われてしまうのか。

だったら、守るためのものだからこそ、やさしいものであってほしい。

以前と同じとまではいかないけれど、ビニールが外れるその日まで、少しでも会話に花が咲くようにと、沢山の草花を描かせていただきました。

早くまた元の日常に戻って、何にも気にせず楽しく会話ができるよう、願いを込めて。

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坂本 美紗希

富士吉田市繊維産業活性化地域おこし協力隊 / テキスタイルアーティスト
(2019年8月〜2021年3月)

出身地
長野県須坂市

プロフィール
武蔵野美術大学・工芸工業デザイン学科テキスタイル専攻を卒業後、同大学の助手として勤務しながら、ろうけつ染めなどの染色技法を用いたアート作品で、ホテルや病院などのインテリアのスタイリングに携わる。
2019年8月に地域おこし協力隊として富士吉田市に移住。産地の生地をアート作品やインテリアとして落とし込み、図書館や市役所などの空間を色彩表現で刷新し、生地の魅力を発信する活動を行った。
2021年に富士吉田市を離れ、都心で活動をスタート。

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