FUJIYOSHIDA DIARY MAGAZINE

コミュニティ

片岡 美央

2020.09.02

デザインやバンドの雑談04 「背中にホーチミン」という余談

7月の中頃。

今年から始まるファーマーズマーケットでお世話になる

農家さんご夫婦のところへお邪魔した。

「普通のことをしてもつまらないじゃない」と話すご夫婦は、同じ野菜をたくさん育てるのではなくて、

変わった野菜やお花を少しづつ育てている変革的個性派農家さん。

実はケータリング料理の提供もしていたりする私は、2019年からイベントの度に大変お世話になっている。

いつもキュートな笑顔で迎えてくれるご夫婦。

特にくまさん体系のお父さんは、残ったお花や野菜を無言で採り始めて「みんなで分けて」とくれる姿や、

きゅうりのアーチの向こう側から「どうぞ!(おいで)」と声を掛けてくる姿が、

なんとも愛らしくて、いつもつい顔がほころんでしまう。

その日もいつものように案内してくれるお父さんの後ろを歩いていると、

背中からなんだか懐かしい匂いがした。

その正体は、ずっと前に初めての海外旅行で行った

ベトナム・ホーチミンのにおいだった(失礼かも。ごめんなさい…笑)。

ーーーベトナムはふつうなことがひとつもなかった。

街を走る大量のバイク、怖いくらい安くて美味いごはん、コンビニの甘すぎる7UP、湿ってるお釣りのお札。

バスに乗ると、行き先がやぶいたメモ用紙に書かれていたり、

喫茶店に入るとテーブルが胸元の高さまであって、

頼んだドリンクがさらに背の高いワイングラスで運ばれてきたり。

初めての海外旅行にしては、パンチの強い、へんてこだらけのおかしな国だった。

それなのに、あの街のにおいと不真面目さが何度も恋しくなってしまう。

たくさんお話をする中で、農家さんに「最近育ててる野菜は?」と訊ねると、

「“インドジンウソツカナイ”という名前の唐辛子」と言った。

最先端すぎて、爆笑した。

ふつうじゃおもしろくないよなー。

もらった野菜とお花を手に、ちょっと気持ちが軽くなった。

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片岡 美央

富士吉田市地域おこし協力隊 / 〈IIYU TEXTILE〉デザイナー
FUJIYOSHIDA PR WORKS〈GOOD OLD MARKET〉代表

東京造形大学・大学院でテキスタイルデザインを専攻し、主にプリントテキスタイルの製作活動を行う。その傍ら、音楽ユニットやケータリングユニットなど幅広いジャンルの活動を行う。大学院在学中に参加した「富士山テキスタイルプロジェクト」がきっかけで富士吉田市に訪れ、卒業とともに2019年春から地域おこし協力隊として移住。デザイン・音楽・アートの経験を生かした様々な創作活動を通して、地域の魅力発信を行なっている。

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