渡辺 紀子

2022.12.20

日々、富士吉田の高校生と。43「地元の生地に触れる」

富士吉田は、織物の街です。

富士山の綺麗な水を使って、糸を美しく染め上げ、その糸を織り、日本を代表するような織物が生まれています。

そんな地域の文化でもあり産業でもある「織物」に関係する活動を昨年度行いました。

活動名は「Feel project」

この街で暮らす若い世代が、この街の織物に触れることを目的にした活動です。

今年は、市内にある〈富士小学校〉に、富士吉田の織物に触れてもらえるように、2箇所に富士吉田の織物に触れる場所・機会を作りました。

(富士小の玄関から撮った一枚。様々な場所が円形になっている校舎がとても素敵です)

1つ目は図書室の椅子です。

少し色があせたり、生地がほつれたり…これまでの多くの子ども達の読書タイムを支えてきた椅子の歴史を感じます。

その椅子を富士小から歩いて10分以内にある、〈アルル〉さんの生地に張り替えました。

※アルルさん紹介記事(富士吉田市観光ガイドより)

https://fujiyoshida.net/spot/188

富士吉田の〈アルル〉さんは、インテリアの生地を多く作る機屋さんで、有名なホテルのカーテンやベットカバーなどの生地を作っています。

そんなアルルさんの素敵な生地を使って、建築やデザインを学ぶ高校生たちと一緒に、

椅子の生地を張り替えました。

講師として、韮崎市で家具を作る〈Atelier Bond〉の野田さんを迎えて、1行程ずつ教わりながら作業を進めました。

Atelier Bond
https://atelierbond.com/

高校生は、2人1組になり、お互いに生地を引っ張りながら、子ども達が安全で楽しく本が読める椅子へと変えていきます。作業しながら「富士吉田ってこんな生地を作っているんだ」「初めて生地に触った!」という声もあり、高校生にとっても生地に触れられる機会で嬉しくなりました。

実際に張り替えた椅子はこちら👇

元気いっぱいの小学生たちが、明るい雰囲気で気持ちよく本を読めるように、緑と黄色など4色の生地で張り替えました。

実際に変わった椅子をみて、司書さんからは、「椅子の色が変わるだけで、図書室の雰囲気が一気に明るくなりました。子ども達が毎時間どの色に座るか、椅子取りゲーム状態になってます(笑)。図書室に来る子も増えて嬉しいです」と嬉しいお言葉をいただきました。

校長室の椅子も、同じ形状だったため、高級感あふれる生地を選び、張り替えました。

(かっこいい…!)

2つ目の場所は、階段です。生徒たちが教室に行くまでの階段の壁に、富士吉田の織物を貼り付けた「ファブリックパネル」を18枚設置しました。

ファブリックパネルで使用した生地は、おしゃれなネクタイを織っている〈羽田忠織物〉さん。こちらも富士小から歩いて10分の近所の機屋さんです。

羽田忠織物さんのHP https://hadachuorimono.jp/

青・赤・黄色・緑で、素敵な生地を織っていただき、パネルにしました。

(私も家に飾りたいくらい…!!)

大きなパネルを設置してくれたのは、富士小近くの工務店〈滝口建築〉さんです。

「母校だから…」と快く引き受けてくださり、お忙しい中施工していただきました。

滝口建築 https://www.taki-ken.com/

地元の皆さんに支えていただき、パネル設置まで完了しました。

(こういった活動を応援、サポートいただける皆さんがいることが一番の富士吉田の魅力です!)

何気ない日常の、いつもの場所に、地元で作られた素敵な生地がかっこよく飾られています。

若い時から、地元の織物を学び、織物をみて、触れて、

「こんな生地作ってる、地元サイコーじゃん!」

と思う子どもたちが増えることを願って、引き続き活動を続けていきたいと思います。

(2022年度も別の小学校で、織物に触れる場所を検討中!お楽しみに〜!)

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渡辺 紀子

特定非営利活動法人〈かえる舎〉スタッフ

出身地
山梨県南都留郡忍野村

プロフィール
2019年春に地元である富士吉田市の地域おこし協力隊に就任。小中高のキャリア教育や高校卒業後の自分らしい進路をみつけるプロジェクトを企画・運営。
2020年に協力隊の任期満了とともに事業マネジメントで携わってきた〈かえる舎〉のスタッフとして参画。

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