宮﨑 博

2023.11.22

富士吉田知ル知ル10「いよいよ始まるフジテキスタイルウィーク おまけで街歩きしませんか」

11月23日から「布の芸術祭」(フジテキスタイルウィーク)が始まる。約1ヶ月間に及ぶ布とアートの祭典だ。

本町通りは祭典をイメージした布の装飾がまさに準備中



富士吉田に移住を考えている人はこの祭典期間中に富士吉田を訪れることで街の良さや人の奥深さを見ることができますよ。

昭和の街と富士山。外国人の目にはどのように写っているのだろう?



今回はフジテキスタイルウィークの準備でわしゃわしゃしている本町通りの街歩きをしてみよう。

西裏と東裏を分ける本町通りを歩く度に、以前から気になっていたのが、お店を紹介する吊るし看板。

昭和のなんちゃってアーケードにブラ〜ンっとぶら下がってる看板がそれだ。

意外と気付かずに通り過ぎている人も多いと思うが、これ実はかなり貴重な昭和の遺産である。当然一つひとつが統一の規格の中でお店をアピールしている。

本町通り商店街の下吉田駅方面の小室浅間神社あたりから富士山に向かってこれらの看板はいくつか残っている。

富士山に向かってまず東側を歩いてみた。

あるようでないような中途半端なアーケード風の屋根に「ありました〜1個目、しかもちゃんと営業してる〜、いいですね〜」

写真右上にぶら下がっている広告。このシューズショップは現役で〜す。



すると、通りを挟んだ西側にも吊るし看板が〜。

「玩具・文具の天野商店だって」かつては子供たちであふれていたのだろうな〜。

ゴシックでガチンコのフォントがかっこいい



と、今度は東側に「み〜つけた」かなり前から煤けているような看板だけど、これこそが昭和の証だな。大事に守ってほしい看板が、「吉田松浦産業さん」。

織物の街だから当然配送用の梱包資材も必要だったのだね



少し歩くと今度は西側に、ユースホステルの看板。これは他のと違った規格でできていて商店街の統一看板の後に独自に作られたものだろう。

「ところで、ユースって珍しくない? かつては世界中にあったけど、富士吉田にあるんだ〜、しかも現役で、機会があったら泊まりたい!」

それにしても今では使われていないロゴマークがレトロデザインでいいですね〜。スポンサーが「さくらカラー」と言うのも懐かしい。

この地で80年以上も営業していると言うからすごい



さて、さらに本町通りを登って行き、今度は東側へ。

「ありました〜、割烹笹一の看板」

今は別のところで立派に営業している割烹笹一ですが、かつてはここにあったんですね。

このネオンが点灯したら趣あるな〜



さらに富士山に向かって歩くと、

「おお〜っと、吊るし看板の連打だ〜」

まずは「一品堂書店」ここも現役の数少ない本屋さん。お疲れ様で〜す。

この看板文字なんか、神田の古本屋街にありそ〜。

文字フォントが書家のもの? って感じ。



次は〜、「出ました〜マルサク・タナベ。富士吉田唯一のご当地百貨店〜」

衣料品中心の百貨店ですが、今も現役でお客さんもちらほらと途切れることがない不思議なデパート。こういうのみんなで応援して残していかないとな〜。

衣料百貨の文字がかわいい〜
流石に立派な富士吉田のデパートの雄
衣料品が並べられた店内は昭和のデパート風



トイメンには「野ばらさん」のパーキング案内の看板が。これも別枠で作った規格外のものだった。

手作り感ありの看板



少し行くと、「和・洋酒類 北井商店さん」酒を切らした料亭やお茶屋さんが走り込んでたのだろうな。

看板には名店街アベニューとあるが、これはいったい?



今度は西側に渡ると、そこに「ファッション・タムラさん」。

ここも名店街アベニューとある。マルサク・タナベから富士山側がアベニューのようだ。

タムラの文字がそそります。こんなフォントが看板になるなんてなんて昭和は個性があったことか



こんな中にも最近新たに作られたものもあった。どうやら街おこしを考えている人たちもこの吊るし看板に注目しているのだと思う。

手作りの看板は最近のもの
新しく街が息付き始めた飲み屋通りの看板も吊るし看板になった。これも最近作られたもの



西裏は見どころ満点。

何度歩いてみても新しい発見ばかりだ。都会に暮らして、「あっ、ここにビル建ったんだ」といった発見ではなく、「こんなところに、面白いものが隠れていたんだ〜」という発見。かつてここに暮らした人たちの思いが詰まった街並み。「いいじゃないですか〜」。これこそが街歩きの楽しみです。

富士吉田に移住を考えている人はぜひこの街歩きを楽しんでいただきたい。もちろん自然も豊富な場所で、いい空気、いいお水、いい人情がいっぱい詰まったこの街を「フジテキスタイルウィーク」期間中に訪れるのはどうだろうか。

普段、なかなかお目にかかれない現代アートと絹の匂いや感覚を実際にダイナミックに楽しめる、しかもゆっくりゆったりと楽しむ。同時に街歩きで発見もする。そんな旅を計画してみるのはどうでしょうか。

https://fujitextileweek.com/

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宮﨑 博

編集者・出版プロデューサー

出身地
神戸市

プロフィール
大手出版社社員を経て20年前に2拠点生活を開始。16年前より富士吉田市に完全移住し、リモート生活を実践。現在、富士山に一番近い出版社の編集統括に就任中。

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