FUJIYOSHIDA DIARY MAGAZINE

コミュニティ

上田 潤

2022.11.11

上田潤の地域福祉とふじよしだ 28「シニアを地域の担い手に」

近頃僕は毎週のように、〈宝島〉のばあちゃんたちとサッカーの試合応援に行っています。

〈FCふじざくら山梨〉という女子サッカーチームがあるのですが、地域交流の一環として、夏頃から〈宝島〉で月に一度、選手との交流会をおこなっています。

選手たちもごはんの準備から一緒に、和気あいあいと家族のように過ごしています。

選手の皆さんは県外出身者が多いということもあり、「宝島は富士吉田市の実家みたい」という声があったりして、なんだか嬉しいなぁと。事業を始めた当初は、まったく予想していなかった展開に、びっくりもしています。

ちなみにこの日は、「ハンバーグが食べたい」というリクエストにお答えして、富士吉田市のお母ちゃんたちは張り切っていました。

ちょうど自分の孫たちと同じ世代の女の子がたくさん来てくれて、嬉しかったのかな。おじさんへ片足を突っ込んでいる31歳の僕といるときより、ずいぶんイキイキとしているように見えました。

そうやって交流を深めていく中で、彼女たちが宝島一行を試合へ招待してくれました。

エスコートシニアと称して、一緒に入場まで。選手たちの本当のおじいちゃん、おばあちゃんも遠方から応援へ駆けつけていて、手をつないで一緒に歩く姿に、とてもあたたかさを感じました。

そして初めての試合観戦。

いわゆるイマドキの普通の女の子の部分しか知らなかった僕らは、ピッチ上の彼女たちをみてびっくりしました。

当たり前かもしれませんが、まさに闘う戦士。見たこともない真剣な表情で勝利へ向けて走ります。その姿に感化され、気がつけば僕らも応援に熱中していました。

ばあちゃんたち、女子サッカーの試合を見たのはみんな初めて。そもそも何人でやるのか、オフサイドなんてルールに至っては、まったくわかりません。

でも、可愛がっている女の子たちが頑張っている姿に、心を動かさずにはいられない。

「がんばれー!」「負けるなー!」「あぁー、惜しかった!」

選手の一挙手一投足に応援の眼差しを向け、喜んだり悔やんだりしながら共に戦います。

そんな応援の心が届いたのか、僕らが見に行った3試合全てで〈FCふじざくら山梨〉は勝利を飾っています。

今回のことで、僕はすごくよかったなと思っていることがあります。

それは、高齢者が地域のプレーヤーへ変化しつつあるということ。

選手たちの富士吉田市のおかあちゃんとして、〈FCふじざくら山梨〉を支えるサポーターの一員として、しっかりと役割を持った担い手になっている。そしてそれがお互いのエネルギーになるという循環が生まれている。

今まで交わることのなかった世界がつながると、こんなにおもしろいことも起こるんですね。

高齢者を支援の対象ではなく、地域を支えるプレーヤーに変えていく。

シニアの力を借りたまちづくりの可能性を模索していく。

〈宝島〉が目指す景色がまたひとつ、増えたような気がします。

さて、今度の試合応援もみんなで頑張ろう。

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上田 潤

富士吉田市地域おこし協力隊

山梨県南アルプス市出身。大学進学を機に上京し、数社のジョブホップを経て2020年10月に地域おこし協力隊着任。地域福祉をテーマに、高齢者の生活支援〈じばサポ〉、高齢者との日常を綴るインスタマガジン〈しわじわ〉、自宅を地域へ開放した〈ソーシャルハウス宝島〉の3事業を運営。”共生社会の実現”を目指し、人のつながりで社会課題の解決に向き合う。

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