上田潤の地域福祉とふじよしだ 32「ステップ」
2022年の4月に自宅を地域に開放した事業、〈ソーシャルハウス宝島〉を始めてから、もうすぐ一年が経とうとしています。
振り返ると、本当にいろんなことがあって、あっという間でした。
この一年で、子どもからお年寄りまで様々な世代や、多様な事情を抱えた人たちが宝島を訪れてくれました。この前集計をしてみたら、その数なんと1000人以上。それだけの人がひとつ屋根の下でつながり、一緒に過ごすことができたことは、とても嬉しいことだと思っています。
「ここへ来ることがいきがいだ」と言ってくれるおばあちゃんがいます。難病を患っていて闘病が大変なのですが、宝島で出会った仲間がいるから頑張れるといいます。
「奥さんが亡くなってから孤独で退屈だった」という95歳のおじいちゃん。宝島へくるようになってから、どんどん明るくなって、いつもみんなに素敵な笑顔を見せてくれます。
「人がなんとなく怖い」という不登校の小学生。今では宝島で僕と遊んで帰るとき、「次はいつ来ていいのー?」と元気に聞いてきてくれます。
まだまだここでは書ききれないくらいの人がつながる豊かさを、この一年でいろんな人と一緒に見つけることができました。みんな、出会ってくれてありがとう。
4月からは新たにフリースクールを始めるので、子どもや子育て世代ともたくさん関わっていけたらと思っています。
こういった活動をさらにステップアップさせていくため、4月に法人化を目指しています。
法人格を得ることで、公的に寄付を募ったり、行政や企業、他団体との連携をより強固にして、”人の暮らしにまつわる社会課題”と向き合っていきたいと考えています。
法人から少し自己紹介をさせてください。
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一般社団法人ヒトナリ
世の中に、ともに過ごす提案を。
ひとが隣り合う景色を、たくさん生み出していく。
ともに過ごす豊かさを分かち合う隣人を、たくさんつくっていく。
孤立、孤独、分断があふれる社会を変えていく。
私たちはそこに向かって、コミュニティデザインに取り組む法人です。
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〈ヒトナリ〉とは、「人」と「隣」をかけ合わせた造語です。また、多様な人たちと関わっていく上で、世の中の分類ラベル(児童 / 高齢者 / 障がい者など)ではなく、その人の「ひととなり」としっかり向き合っていきたいという意味も込めています。
この法人は、僕が代表理事を務めさせてもらって、主軸となって活動していきます。また、とてもありがたいことに、心強いメンバー2名を理事として迎え入れ、創業させてもらえる事になりました。順番に紹介いたします。
北田萌(きただ もえ)さん
キャップクラウド株式会社で、富士吉田市のコワーキングスペースの運営や多拠点居住の推進など、多様な働き方を世の中に提案するお仕事をされています。北田さんとは公私ともに仲良くさせてもらっていて、彼女のおばあちゃんは宝島に通っています。僕の活動にとても共感してくれていて、「力になりたい」と声を上げてくれました。北田さんの行動力と人を巻き込む力にはいつも感心させられていて、刺激を受けています。
五十嵐雅彦(いがらし まさひこ)さん
FCふじざくら山梨という女子サッカーチームを立ち上げ、ゼネラルマネージャーとして活躍されています。それまでも、都内の広告代理店で様々なスポーツマネジメントに関わってきた経歴をお持ちです。五十嵐さんとは2022年の夏頃からの付き合いで、チームの選手たちと宝島で月に一度懇親会をしたり、サポーターとして試合の応援へ行かせてもらったりと親睦を深めてきました。彼の「スポーツは世の中のさまざまな境界を飛び越えるハブになる」というビジョンに共感し、お声がけさせてもらったところ、快く承諾してくれました。〈ヒトナリ〉の理念とスポーツという切り口の可能性に、とてもワクワクしています。
あらためてお二人のことを考えてみると、やっぱりとても心強くて、出会えてよかったなぁと感じます。一緒に歩んでいける喜びを噛み締めながら、しっかり進んでいきたいと思います。
もうすぐ誕生する〈一般社団法人ヒトナリ〉を、どうぞよろしくお願いいたします。この新たな看板を背負って、みなさんとまたお会いできること、新しい出会いを、心から楽しみにしています。