FUJIYOSHIDA DIARY MAGAZINE

コミュニティ

上田 潤

2022.12.29

上田潤の地域福祉とふじよしだ 29「暮れる」

地域サロンの仲間が3週間の入院を経て、〈宝島〉に戻ってきた日。

退院祝いにお寿司をとりました。

そのほかにもメロンが届いたり、和菓子の差し入れがあったり。「退院したばかりでこんなに食べきれないよ」といったツッコミもありましたが、久しぶりの再会を喜ぶみんなの姿がありました。お互いホッとしたような笑顔で、入院している間の出来事を報告しあう時間が、しばらくながれました。

「ここでまたみんなと過ごすことを生きがいに治療を頑張った」というばあちゃん。

入院中に〈宝島〉の宣伝をたくさんしてくれたみたいで、病室のルームメイトと「退院したら〈宝島〉で再会しよう」という約束までしていたようです。

その約束はすぐに実現しました。

退院してからの再会場所は〈宝島〉、この日はみんなで餃子を包みました。

「タネをたくさん入れたほうが食べごたえがある」「大きすぎたら品がない」など、それぞれの餃子道を尊重して、大小さまざまな餃子が出来上がりました。

「なんだ、食べたら全部同じじゃない」

年の瀬ということで、この日はみんなで〈宝島〉の大掃除。

掃除用具をこちらで用意していたのですが、みなさん自前で必要なものを準備してきてくれました。なかでも自家製の洗剤が2つも出てきたことには驚き。さすが長年の主婦経験がキラリと光るばあちゃんたちは心強く、僕はみなさんのお手伝い程度でしか出番はありませんでした。

掃除を手早く片付けて、明るいうちから忘年会がスタート。

忘年会というよりも新年の親戚の集まりのような光景になりました。

オードブルやお寿司、手作りのケーキなどが並び、これまた食べきれるか心配なくらいです(といってもみんなタッパー持参で、余ったらしっかり持って帰るのでその心配はありません)。

宴もたけなわで、話題は僕の結婚について盛り上がりをみせました。

「早くいい娘をもらって男の格を上げなさい」「あんたは結婚には向いていない」など、恋の大先輩たちから、辛辣なご意見をたくさんいただきました。

あるばあちゃんは、お嫁さん候補を探して、入院中にお医者さんや看護師さんにぼくのことを紹介してまわったそうです。とてもありがたい。

ちなみにお嫁さん候補が見つかった場合、結婚するにはばあちゃんみんなからの承認が必要らしいので、僕はこっそり恋愛しようと心に決めました。

そんな楽しい時間は日が暮れるまで続きました。

大掃除の疲れなんてへっちゃらみたいで、「このあとスナックに歌いに行こう」と誘うメンバーもいて、いつまでも元気でいることはかっこいいなぁと思いました。

今年〈宝島〉を始めてからいろんなことがあったけど、みんなと出会えて僕は毎日幸せに暮らしています、ありがとう。

来年もまたよろしくね。

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上田 潤

富士吉田市地域おこし協力隊

山梨県南アルプス市出身。大学進学を機に上京し、数社のジョブホップを経て2020年10月に地域おこし協力隊着任。地域福祉をテーマに、高齢者の生活支援〈じばサポ〉、高齢者との日常を綴るインスタマガジン〈しわじわ〉、自宅を地域へ開放した〈ソーシャルハウス宝島〉の3事業を運営。”共生社会の実現”を目指し、人のつながりで社会課題の解決に向き合う。

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