宮﨑 博

2023.11.06

富士吉田知ル知ル9「自動運転EVバスに乗ってみた」

富士吉田市が都市の実証実験として期間限定ではあるが、自動運転EVバスを運行するというので乗ってみた。

それは、富士山駅近くの「ガキ大将ラーメン」駅から「下吉田駅」までの僅か14〜15分の旅だった。

11時36分発というので約10分前にバス停に着いた。しばらくするとお子さんを連れたお母さんがやってきた。みんなで楽しそうに「どんなの来るの〜?」と楽しそう。

 すると向こう側から、「来た来た〜〜、なんかぎこちない感じでゆっくりと〜。なんて愛らしい顔なんだ、さすがフランス製だね」

かわいい顔した自動運転EV車がやってきた



やはりぎこちなく「ガッタン」という感じで歩道に乗り上げて乗り場である駐車場内に到着。

「ぐぐぐ〜ん」とドアが開いた。「なんか所作がロボット的だな〜、でもかわええ〜」最近ファミレスで見かける猫の顔した配膳ロボットの動きとどこか似ているぞ〜。

案内に従って乗り込んでシートベルトを。

ドアが閉まっていよいよ出発進行!

車内には「ジャージャー」といったネジを巻くようなモーター音が鳴っている。時折高音で「カーン」という警笛が。全くこれまで経験したことのない乗り物って感じだ。

室内は広い窓で視界良好!



この車両にはARUMA(アルマ)という名前がある。フランスのNAVYA(ナビヤ)という会社が作っている。2014年に創業してまだ10年も立たない会社が世界に向けて発表した未来の交通システムだ。自動運転で安心で環境にいいシャトルバスはすでに世界20カ国以上で実用や実験が行われている。

フランスやスイスでは普通にそこら中を走っているという信頼性の高い移動手段だと言える。

NAVYA社が作っている自動運転シャトルは現在2種類。EVO(エヴォ)とARUMA(アルマ)だ。今回富士吉田に来ているのは旧式のARUMAのようだ。どこが違うかというと、EVOがレベル4の自動運転システムができるのに対してARUMAはレベル3の自動運転システムであること。レベル4は完全自動運転だが、レベル3は車内に運転手ではないがオペレーターを必要とするもの。とは言えその他の性能はほとんど変わらない。

「最新じゃないじゃーん」と言うかもしれないが、まだまだ自動運転に慣れていない我々としてはこちらの方が安心感があると言うものだ。

後方の窓も大きく景色が楽しめる



ARUMAちゃんは最新のテクノロジーで運行されていた



西裏に差し掛かると街並みと富士山を撮影するインバウンドさんたちで溢れかえっていた。当然の如く車道に乗り出して撮影する姿も見られた。

「おいおい、危ないじゃないかよ」と思っていたが、ARUMAちゃんは時速25キロとノロノロではあるがちゃんと人を感知してブレーキかけているのが不思議。

「カーンカーン」と高音を発して「ちょっと〜どいてよ〜」って言う感じかな。車窓が広いこともあって街並みを見ているとまるでどこかのテーマパークのアトラクションの乗り物に乗っている感じがした。

「これって、昭和ツアーって感じかな」

「ガッタンゴットン」硬めのタイヤから地面の振動を感じながらやく15分。下吉田駅のロータリーに難なく滑り込んだ。

駅前はインバウンドさんたちでいっぱい。

みなさんこの一風変わった乗り物に興味津々のようです。

この自動運転EVバスは11月10日まで無料で乗車できます。

かわいいフォルムはさすが、「おフランス」

せっかくなので下吉田駅周辺を散策。

ものすごく多くの人が行き交う駅。富士急の中でも1、2を争う人気の駅でしょうね。しかし、98%がインバウンドさん。まるで外国の風景か?

そして、知らない内に屋台的なお店がちらほらできていた。人気の忠霊塔まで日本の田舎の風景や四季を感じながら歩く小道はインバウンドさんからしたら超エキゾチックなんだろうな。

屋台で休憩するインバウンドさん。団子やたこ焼き似合ってます



インバウンドさんでいっぱいの下吉田駅、やっぱり昭和っぽい作りで、かつては売店のようなカフェがあった。今はちゃんとしたカフェになってるけどね。

そして、圧巻は天井画。なかなか見過ごしがちですが立派なアールデコ調の絵が素敵でした。

これぞ和洋折衷〜の駅の天井


※富士吉田市 自動運転EVバスの実証実験の実施につい

https://www.city.fujiyoshida.yamanashi.jp/info/4871


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宮﨑 博

編集者・出版プロデューサー

出身地
神戸市

プロフィール
大手出版社社員を経て20年前に2拠点生活を開始。16年前より富士吉田市に完全移住し、リモート生活を実践。現在、富士山に一番近い出版社の編集統括に就任中。

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