FUTURE

斎藤 和真

2020.09.25

かえる舎と高校生の青春記06 「2017年の夏」

2017年 夏

かえる組の存続をかけて

問題が発生しました。

かえる組は学校の授業の一貫として活動を行ってきました。

その授業は3年生になるとなくなってしまう科目でした。

それでも、活動は続けられるんじゃないかと考えていました。

甘かったです。

3年になった生徒たちは学校として活動を認めてもらうことが叶わなくなってしまいました。

かえる組のみんなに悲しい顔をさせてしまいました。

それでも、まだ活動を続けたいと生徒が立ち上がりました。

かえる組には組長と呼ばれる委員長的な役職があります。

3年生の組長はすごい小柄な女の子。

組長は勉強はものすごく苦手。

スポーツも好きじゃないから部活もやっていない。

何かに一生懸命になる事が苦手でした。

そんな彼女はかえる組のことには、びっくりするくらい一生懸命でした。

何がそうさせたかは、当人にも私たちにもわかりません。

でも、彼女は「かえる組を続けたい!」と声を上げて動き出しました。

貴重な3年生の夏休みです。

進学校のみんなは、いよいよ勉強に本腰が入る時期です。

でも組長は夏休みを「かえる組の存続」のために使いました。

かっこよすぎました。

どうしたら続けられるか。

いろいろな人の話を聞いて、現状を把握して、できるようになるきっかけを探し歩きました。

存続に動き出すと、彼女は気づきました。

理解して後押ししてくれる先生たちがいました。

応援してくれる自治体や地域の先輩たちがいました。

かえる組の活動の意義はだんだんと伝わってきていました。

いつも帰ってきては「なんでやっちゃダメなの」って泣いてた組長が、

だんだんと支えてくれる人たちの声を聞いて強くなっていきました。

何度も、先生と交渉を重ね、市役所にも相談を持ちかけ、活動の存続に向けて動きました。

3年生に活動が学校として許可されたことが一回ありました。

4月に地場産業に従事する方々の勉強会にて、活動の発表をしてくれないかという依頼がかえる組にありました。

その時は、学校が依頼に応えるという形で活動が許可されました。

組長が動き回っていたら、ちょうど嬉しいお誘いがありました。

市役所の観光を担当する課から、「地場産業のイベントがあるんだけど、出店してくれない?」と依頼がありました。

それを学校に相談したところ、イベントへの参加が許可されて、またイベントまでの間と期間限定ではありますが、活動を再開することができました。

組長はじめ、かえる組、みんなの悲しい顔が終わりました。

同時に、また忙しい日々が始まりました。

===

「活動をする上で大変だったことはありましたか?」

発表の場で生徒たちが受ける質問第1位です。

でも、みんなの口からは「うーん、なかったなぁ」という言葉しか出てきませんでした。

「いや、活動の継続とかめっちゃ大変だったじゃん!」と、見ている私なんかは思ってしまうのですが、みんなの認識は「大変」ではなかったみたいです。

確かに「さも大変でした」っていう答えは大人が側が求めているエゴだなと反省してしまいます。

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地域のために頑張りたいという高校生たちがいます。

活動できるように一緒に頭を悩ませてくれた先生たちや、地域の先輩たちがたくさんいます。

本当、富士吉田市、最高だ。

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斎藤 和真

特定非営利活動法人〈かえる舎〉代表理事
慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

栃木県鹿沼市出身。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、山梨県富士吉田市の地域おこし協力隊に就任。 2016年に富士吉田市を中心に高校生の教育プログラムを企画運営する〈かえる舎〉を設立。現在は山梨と栃木の二拠点で活動し、週に一度、栃木県鹿沼東高校の非常勤講師として授業も行っている。インスタはラーメン日記です(笑)。

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