森口 理緒

2020.09.30

ハタオリ文化人類記07 「なんども行きたくなる桐生」

真ん中に立つ女性、川上由綺さんにデレデレしながら、見るからに満足した顔の両脇4名。

大事そうに抱えた白い袋の中身は一体なんだろう。

9月24日の夜から25日にかけ、群馬県桐生市で産地見学をしてきた。

桐生は山梨と同じく織物産地であり、山梨に織物文化をもたらした産地でもある。

桐生には何度か足を運んだことがあるけれど、
何度行っても桐生は魅力的な街だとつくづく思う。

勝手に私が決めた「桐生のここがすごい3選」は

・織物文化を市民に共有していること

・繊維工場のオリジナルショップがかっこ良いこと

・美意識が高いこと

この連載のなかで、2回にわけて
桐生の魅力をつらつら喋ろう。

織物文化を街や市民に共有していること

街を歩くと、いたるところに織物に関するアイコンが目に入る。「織物の街、桐生」をきちんと市民に共有しているのだ。マンホールに描かれている反物や歯車の絵、公共トイレのノコギリ風屋根は視覚的に織物だとわかるようになっているし、市内を循環しているバスの名前は「MAYU(まゆ)」だった。

桐生のマスコットキャラクター、〈キノピー〉はノコギリ屋根がモチーフらしい。
このキャラクター、教習所の車にまで掲載されているからびっくり!

決してカッコつける感じではなく、人々の目につくところに「織物」を意識させるものが点在していることはとてもおもしろい。

織物工場を彷彿とさせるノコギリ屋根の建築が多い桐生では、工場が日本遺産として登録されていたり、工場跡地をベーカリーやカフェ、ヘアサロンとして利用しているケースもある。街が産業の歴史を大切にしていることが伝わってくるだけで、街のアイデンティティがよく見えるからうれしい。

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森口 理緒

富士吉田市繊維産業活性化地域おこし協力隊

プロフィール
大学在学中、山梨ハタオリ産地のWEBサイトを運営するデザイン会社〈トリッキー〉で学生ライターをしていたことがきっかけで、繊維産業に興味を抱く。大学卒業後、富士吉田市繊維産業活性化地域おこし協力隊として活動しながら、工場とデザイナーをつなげる存在になれるよう勉強中。

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