GWに登山仲間のみんなで三つ峠(みつとうげ)に登って来ました。
三つ峠は都留市と西桂町、富士河口湖町にまたがる標高1,785mの山で、開運山、御巣鷹山、木無山の3つの頂上の総称です。
富士吉田市内から見える山々のうちの一つで、てっぺんのアンテナが目印です。
以前から「新緑の時期の三つ峠山はとても気持ちがいい。」と聞いていたのでいつか登りたいと思っていたところ、富士登山のための練習場所に選ばれ念願叶って行って来ました。
今回は三つ峠登山口から登り、山頂で昼食をとった後、穏やかな尾根道をなぞって河口湖まで降りていくコースです。
初めての長時間の登山で準備はバッチリ、天気も快晴の登山日和。
私たちが登り始めたのは朝の7時前にもかかわらず、下山する方々と何度もすれ違いました。
「日の出目当てかな?」とみんなと話しながら、一体何時に登り始めたんだろうと思いました。
途中で何度か行動食を挟んで、標高が上がるごとに変わる植生に注目しながら軽い足取りで山小屋に到着!
ここまでスタートから1時間半ほど。
急に目前に広がるひらけた景色と堂々とした富士山に思わず声を上げました。
毎日見ていても、見る場所や時間帯によってまた違う姿に映る富士山。魅力的です。
山小屋には何だか懐かしさを感じる自動販売機がありました。
一緒に登った1人が「山頂のコーラは格別」と言っていて、それなら飲むしかないとみんなで1本購入しました。
山小屋を抜けた広場には、どの方角に何の山が見えるか記されている石碑がありました。
みんなが円になって覗き込む姿は、まるでRPGの冒険者パーティのようで笑ってしまいました。
遠くに南アルプスも見えてしばらく眺望を楽しみました。
さらに登ること15分。三つ峠の最初のピークに到達しました。
個人的に、山頂付近の階段が続く道のりが今回の山行で一番険しいポイントでした。
そして着いたらびっくり、あまり広くないスペースでたくさんの人が食事をしたり撮影したりと大混雑。
人の合間を縫って進み、ささっと頂上碑で記念写真を撮って退散しました。
市内の森ではもう成長して立派な姿のカラマツの葉が、山頂ではまだ芽吹きの時期で季節をやり直したような気持ちになりました。
わずかな酸味とフレッシュでグリーンな香りが美味しい若葉を、歩きながらみんなで味見するようにつまんで食べました。
その後順調に御巣鷹山、木無山に辿り着き、見晴らしのいい木陰で昼食をとりました。
先ほど調達した山頂コーラで乾杯。
エネルギーを使って体が糖を欲しがっていたのか、確かに格別のおいしさでした。
1本を4人で分けたのも良い思い出です。
それぞれ自分の好きなランチを持参したこの日。
事前に話し合っていないのにみんな1人前より余分に準備していて、お裾分けし合う平和な時間でした。
(お裾分けでいただいた、みかんの花が入ったこの時期だけの絶品お手製いなり寿司)
体力も回復し、荷物も軽くなって後半戦へ。
河口湖に向けて緩やかな尾根道を辿っていきます。
尾根道とは山の峰と峰をつなぐ稜線のことで、つまり常に山頂にいる感覚です。
景色がひらけて風も心地よいのですが、写真のようにすれ違うのも緊張するほどの道幅のところも。
両面崖でスリル満点です。
背の高い朴の木には、新芽が芽吹いていました。同じ科のコブシに似ています。
1本だけ手の届く木があったので新芽をぱくり。
花のような清らかな香りと爽快感のある苦味、味の構成もコブシによく似ていました。
朴の木の花が咲く時期にまたここに来たいです。
今回色々と山について教えてくださった画家の先生が尾根道をスケッチしていました。
迷いなく動き続ける鉛筆とモデルに選ばれた景色に視線が行ったり来たりしていると、いつの間にか絵が完成していました。
自然物の質感を感じられる素敵なスケッチ、間近で見せていただき感激です。
ロープウェイの駅付近で大勢の観光客が賑わっている中を登山姿で少しアウェイ感を感じながら通り過ぎ久々のコンクリートの地面へ。
総距離13.3km、時間にして8時間の行程が終了しました。
達成感に満ち溢れ、コンビニの駐車場でノンアルビールで乾杯。
日中は暑い日も多くなってきましたが、山に登って涼むのもいい過ごし方だと知りました。
スケッチブックと鉛筆を持ち物リストに追加して、次回の山行へ期待を膨らませます。
富士登山への道のりはつづく。