北山詩織

2025.04.22

森でミネストローネ18「力仕事後のコブシの花見」

こんにちは。

今年の春は、いろいろな植物たちがゆっくり目を覚ましている印象です。

梅や桜、コブシも昨年より1~2週間ほど遅れて咲きました。

待ちわびた春に心が高鳴ります。

そんな春の週末、みんなでマウンテンクリーンをおこないました。

今回は、今まで何度かきれいにしてきたエリアで、森を横切るように通るバイパス沿いの道路です。

ここはほかの場所と異なり、拾っても拾っても新たにゴミが捨てられてしまうという、困った状況が続いていました。

理由はいくつか考えられます。

この場所は道が広くなっており、車を停車できるスペースがあるため長距離運転の休憩場所に使われやすいこと。

そして、側溝には草が生い茂っていて捨てたゴミが紛れて見えにくいこと。

現に、道を挟んだ奥の道は側溝に草も土もなく整備されており、ゴミも見当たりませんでした。

「拾って、捨てられてのイタチごっこはおしまいにしたい」と思い、溝のリセットを決意してから3ヶ月。

雪解けを待ってついに決行の日がきました。

この日はなんと過去最多の20名の方が集まって、約50mの側溝の掘り起こしが始まりました。

まずは上に散らばるゴミを拾うところからスタート。

タバコの吸い殻や飲食物のゴミ、ティッシュなどが見られました。

そして、一通り拾い終えたら溝の上部に絡みついた草を取り除いていきます。

深さ30cmほどの溝にこんもり堆積した土。その上に居場所を見出した植物や虫たち。

こんなところにも一つの生態系が生まれているのだと、改めて気付かされます。

次はスコップでひたすら土を掘る、掘る、掘る!

想像以上の深さと底の見えない大量の土。前日の雨で湿った土を掘り起こすのはかなりの重労働です。

掘り出した草と土は、ゴミを除いて森に還します。

森へ運んだ後あともゴミが混じっていないか最終チェック。

特に劣化したビニール片がボロボロと崩れやすく厄介でした。

土を掘る人、ゴミを除き分別する人、土を運ぶ人、そして作業の様子を記録する人。

それぞれが役割を見つけ、気がつけばついに溝の底が見え始めました。

ご覧ください!

初めの写真と見比べて、いかがでしょうか。

同じ場所とは思えません。

視線を上げるとみんなの顔も達成感でいっぱい。

真上から覗いてもすっきり空っぽです。

これで雨や雪が降ってもスムーズに排水されます。

最後は20人が背の順一列に並んで、溝の中に入って記念撮影(笑)愉快な写真が撮れました。

みんなで整えた溝が、これからもきれいに保たれますように、と願いを込めてこの場所を後にします。

この日は天気も良く、お昼ご飯を持ち寄ってピクニックをしました。

お目当ては開花したばかりのコブシの花。

富士吉田市内にたくさん生えていて、桜と同じかそれ以上に目にする機会の多いコブシ。白、ピンク、緑のカラーバランスが美しく、香りも素晴らしい大好きなお花です。

コブシを見上げながらお昼ご飯を食べていると、持ち寄ったおかずやお菓子、マックのポテトなどがどんどん回ってきて自然とお裾分け大会がスタート。

「おいしい」のお裾分けに、優しさが溢れる空間でした。

私はみんなで食べようと白玉のデザートを作っていきました。

オニグルミの樹液を煮詰めて作ったシロップに、白玉、苺、ダンコウバイの花をあしらった、春らしい装いです。

お砂糖は使わずに樹液の優しい甘さだけで仕上げました。

ひと通り食べ終わった頃には、少し体が冷えてきたので運動タイム。

大人子ども関係なく、みんなで輪になってバレーボールをしたのがとても楽しかったです。

体を動かして気持ちも澄んで、いい休日になりました。

みなさん今回もお疲れさまでした!

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北山詩織

〈HERBSTAND〉スタッフ

出身地
愛知県名古屋市

プロフィール
大学でプログラミングを学んだのち、食べるのが好きなことと農業の可能性に惹かれ国内のハーブ農家を訪ねる。その中で植物がもつ様々な可能性を探究するHERBSTANDとご縁があり、インターンを経て新卒で就職と同時に移住。富士吉田に暮らして4年目。
植物たちのサイクルに合わせて、山に畑に原野に走り回る日々を送っている。富士北麓の豊かな森や湖で過ごすゆったりとした時間が休日の楽しみ。

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