北山詩織

2025.06.27

森でミネストローネ20 「春のご馳走 後編」

こんにちは。

前回に引き続き、「春のごちそう」がテーマです。

少し個人的な話になりますが、今年私が探求したいテーマのひとつに「キノコ」があります。

シーズンの幕開けを飾る、春のキノコでどうしても見つけたかったアミガサタケ。

ヨーロッパでは高級食材の「モリーユ」という名で知られる春の定番キノコです。

待ち侘びたシーズン到来で意気揚々と探しに行くも出会えず、アミガサタケの知識は増えていくのに、なかなか見つけられずにいました。

でも、周りのキノコハンターのアドバイスもいただきながら探し続けた結果、ついに発見!

出会えた時の感動は忘れられません。

「あったーーー!」と普通に叫んでいた気がします。

嬉しさのあまりその日のうちに、家にあったリゾット米とチーズでシンプルなリゾットにしました。

例えるなら、マッシュルームから土っぽい香りを除いて、ぎゅっと濃縮させたような芳醇な香りで、とってもおいしかったです。

トッピング用にバターで丸ごとソテーしたら、姿はそのままなのに、めちゃくちゃ小さくなって思わず笑ってしまいました。

残りのモリーユは乾燥させてストックしてあるので、お友達のみんな、ぜひ食べに来てくださいな。

ここからは、仲良しの料理人の方たちにごちそうになったドリンクやお料理をご紹介します。

上の写真の綺麗なピンク色のドリンクは、なんと藤の花のソーダ。

藤の花は生だと毒性がありますが、シロップの発酵過程で無毒化するそうです。

飲むのがもったいないくらい綺麗な色で、華やかさと涼しさを併せ持った爽やかなおいしさでした。

5月に運営として参加させていただいたイベントでタラの芽の胡麻和えと水キムチが振舞われました。

山菜の王様とも言われるタラの芽は、じつはお隣の韓国でも愛されている食材。

イベントでは各国の文化を紹介しながら、調理法を実演とともに振舞われました。

キムチといえば辛くて赤いイメージがありますが、水キムチは唐辛子が韓国に伝わる前からある、クラシックな調理法なんです。

今までタラの芽は天ぷらが正義だと思っていたのが恥ずかしくなるくらい、どちらもタラの芽の美味しさを引き立てていました。

来年はぜひ自分のレパートリーに取り入れたい…!

こちらはまかないで作ってくれたアサツキのジョン(薄焼きチヂミ)。

以前韓国で食べたジョンが美味しかったという話をしたら、即席で作ってくれました。

多めの油でカリッと焼かれていて、球根付きのアサツキの食感がとても美味しかったです。

親切に焼き方も教えてもらいましたが、私にはまだ練習が必要そうです…。

山へ食べ物を探しに行く、という最高のアクティビティを満喫した春。

採れたてのハーブたちはそれだけでごちそうですが、土地や作り手が変わるとこうも仕上がりが違うのか!と幸せな発見の多い日々でした。

伝統的な調理法には、保存性を高めたり、その土地で採れる素材で美味しく食べるための工夫がなされていて、その背景を想像しながら食べることでより豊かな食体験になりますね。

気の合う人たちと一緒に食卓を囲む時間は、忙しい日々を乗り越えるためのエネルギー源だと、ひしひしと感じました。

暑さに気をつけて夏も楽しんでいきましょう〜!

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北山詩織

〈HERBSTAND〉スタッフ

出身地
愛知県名古屋市

プロフィール
大学でプログラミングを学んだのち、食べるのが好きなことと農業の可能性に惹かれ国内のハーブ農家を訪ねる。その中で植物がもつ様々な可能性を探究するHERBSTANDとご縁があり、インターンを経て新卒で就職と同時に移住。富士吉田に暮らして4年目。
植物たちのサイクルに合わせて、山に畑に原野に走り回る日々を送っている。富士北麓の豊かな森や湖で過ごすゆったりとした時間が休日の楽しみ。

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