北山詩織

2025.09.12

森でミネストローネ21「未熟果を使った桃酒」

ご無沙汰してます。

夏のピークも過ぎ、朝晩は肌寒い日が増えてきた富士吉田。

先日行われた、400年以上の歴史をもつ吉田の火祭りでは、煌々と松明が燃やされ今年もたくさんの人で賑わいました。

さて、振り返ること2ヶ月ほど前。
桃のお酒を仕込みました。

山梨の名産である桃。

HERBSTANDでは、その葉っぱをハーブとして取り扱っています。果実のようにフレッシュな甘い香りがあり、乾燥させてお茶にするとビターな風味が楽しめます。

剪定された枝から葉を外していると、梅のような果実がたくさんついていました。
桃の未熟果です。

ややアーモンド型の硬い果実。桃の甘い香りはまだありません。

実験好きな私は、梅酒のようにお酒に漬け込んだらどんな味わいだろう、と思い試しにひと瓶仕込んでみました。

まずは水洗いをし、茎や葉、ヘタを取り除きます。

調べたところ、桃の種の仁には「アミグダリン」という成分が含まれ、体内で分解されると毒性を持つ青酸を発生させるそうです。

なので果実は割らずに、そのまま氷砂糖とホワイトリカーに漬け込みました。

予想では杏仁のような風味に仕上がるはずなので、香りつけにバニラビーンズを鞘ごと1本加えてみました。

これがのちのち良いアクセントに。

ビンの上までホワイトリカーを注いで、氷砂糖がゆっくり溶けるのを眺めます。

それからは数日に一回ビンを振ったり、蓋を開けてガス抜きをしたりして1ヶ月半熟成。

8月初旬、本栖湖で納涼会をした時に桃酒を初開封しました。

水遊びをして、湖畔でサウナに入った後、一休みしながらソーダ割りをちゃちゃっと用意。

アンバーな色合いとビンを開けた瞬間の甘い香りが心を躍らせます。

軽くステアして、いざテイスティング。

ん〜爽やかでおいしい!

口に入れた瞬間は熟成梅酒に似た風味を感じましたが、だんだんと桃や杏仁のような甘さが出てきて、バニラビーンズが薄く余韻を残す上品な味わいに仕上がっていました。

すごく好みの味わいに育っており大満足です。

きらきらとした見た目も涼やかな一杯。

ロックで飲んでも甘過ぎず、果実感を楽しめる味わいでした。

これからもう少し熟成させて、また秋ごろに飲むのを楽しみにしています。

おまけ

持ち寄りで用意した、湖畔の食卓はハーブ焼きそばやソーセージ、冷麺や自家製浅漬けなど豪華なラインナップが並びました。

私は、大好きなスイカのファチェというデザートを用意しました。
ファチェは韓国のフルーツポンチで、スイカの汁に牛乳とお砂糖を入れて作る冷たいデザートです。

今回はスイカに加えてベリーやスイカ寒天をいれて作ってみました。
スイカと牛乳はあまり馴染みがない組み合わせですが、いちごミルクに並ぶくらいとても相性が良くおいしいです。

牛乳が苦手な方はソーダを入れても美味しいです。スイカが好きな方はぜひ試してみてくださいね。

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北山詩織

〈HERBSTAND〉スタッフ

出身地
愛知県名古屋市

プロフィール
大学でプログラミングを学んだのち、食べるのが好きなことと農業の可能性に惹かれ国内のハーブ農家を訪ねる。その中で植物がもつ様々な可能性を探究するHERBSTANDとご縁があり、インターンを経て新卒で就職と同時に移住。富士吉田に暮らして4年目。
植物たちのサイクルに合わせて、山に畑に原野に走り回る日々を送っている。富士北麓の豊かな森や湖で過ごすゆったりとした時間が休日の楽しみ。

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