北山詩織

2025.03.12

森でミネストローネ17 「冬のおこもりの味方」

雪の降る3月。

今年の冬はカラッと晴れの日が続いていましたが、2月後半に入ってから雪の日が出てきました。

積もることもありましたが、除雪車のおかげもあり雪かきが必要なほどではありませんでした。

日中は気温も10℃くらいに上がるので銀世界の森を歩くのも素敵です。

最近、友人に誘われて週に1度森でランニングをはじめました。

休日の朝、1時間ほど走ると、身体が目覚めて1日を有意義に過ごせる気がします。

緩く傾斜があって、幾つもの分かれ道がありカーブしながら続く道。

雪の降った翌朝はいつもは走りやすく整備された道も、雪に覆われて見えなくなっていました。

ワンちゃんと散歩したのであろう、微笑ましい先人の足跡(時々シカやイノシシの足跡)を辿ってコースを周回しました。

コースの途中にあるヤドリギ。

高所に寄生することが多いので手の届く場所で見たのは初めてです。

近辺だと山中湖畔沿いの木に、丸々と宿っているのを見つけられます。

黄色の実が愛らしいです。

さて、今回は雪の日のお家にこもる時の相棒になれるホットドリンクを作ってみました。

メインの材料は先日森で収穫した黒文字の枝。

紅茶のような深い香りと、きび砂糖を思わせる素朴な甘み、マイルドなスパイシーさを感じる味わい深い香木です。

剪定するように手で折って収穫した枝は、水の入っていない空の花瓶に入れて飾っています。

黒文字は乾燥機がなくても、室内に置いておけば自然乾燥してゆっくりとドライハーブになります。

もちろん、生の枝もお茶にできるのでその都度ポキっと折って収穫。

最近はお茶だけでなく、黒文字の炊き込みご飯にもはまっています。

醤油の香ばしさと黒文字の香りが合わさり幸福感が増し増しのごはんになります。

森で自ら収穫し、お部屋に飾り、一本、また一本と使って最後には花瓶が空になる。

無駄がなく、少し豊かな暮らしのサイクルを見つけました。

今回作ったのは、「黒文字と生姜のシロップ」

冬のおうち時間、体を温めてくれる生姜をたっぷり使ったレシピです。

用意するのはこちら。

▼材料

水 200ml

砂糖 100g

生姜 ひとかけ

黒文字の枝 2本(15gくらい)

1.生姜を皮ごとスライスし、黒文字は抽出されやすいように3cmほどに折る。

2.水と砂糖を鍋に入れ、火にかける

今回はストーブの熱を利用してエコな調理。

3.煮立ったら生姜と黒文字を入れて、しばらく煮出す。

4.しっかりと香りが立ってきたら火から外し、余熱をとって、シロップを濾して完成です。

三温糖を使ったのでこっくりカラメル色の仕上がり。

香り付けに黒文字の枝を瓶に入れてみました。

さっそくお湯で割っていただきます。

生姜のスパイシーさを甘みが包み込み、黒文字の優しい香りがひろがる味わい。美味しいです。

ジンジャーが体を温めてくれて、黒文字の香りに癒されほっと一息つけるドリンクになりました。

お好みでスパイスを入れて煮出したら、チャイ風味になっていいですね。

ホットミルクで割ったり、夏には炭酸で割ってジンジャーエールにしても美味しそうです。

黒文字が手元にある方は、よかったら試してみてください。

はたしてこの雪は4月まで続くのか。

皆様どうぞ暖かくしてお過ごしくださいね。

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北山詩織

〈HERBSTAND〉スタッフ

出身地
愛知県名古屋市

プロフィール
大学でプログラミングを学んだのち、食べるのが好きなことと農業の可能性に惹かれ国内のハーブ農家を訪ねる。その中で植物がもつ様々な可能性を探究するHERBSTANDとご縁があり、インターンを経て新卒で就職と同時に移住。富士吉田に暮らして4年目。
植物たちのサイクルに合わせて、山に畑に原野に走り回る日々を送っている。富士北麓の豊かな森や湖で過ごすゆったりとした時間が休日の楽しみ。

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