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藤枝 大裕

2020.08.19

〈装いの庭〉藤枝大裕の連載 |富士吉田市のアートレビュー 03

何事においても例外なく、初めてやることはとても難しいものです。

イベントを立ち上げるときに難しいことは大きく3つあると思っていて、

今から4年前、2016年に初めて行われた『ハタオリマチフェスティバル』の初回も

この3つを手探りしながらスタートしたのでした。

3つというのは

①事務局内のチームワークづくり
②出店者や展示などのコンテンツづくり
③集客

その前にコンセプトを固めるのも大事なのですが、大事であっても、そこまで難しく考える必要はないと思っています。難しいのは固めたコンセプトをチームで共有し、それをもとにヒットするコンテンツをつくり、お客さんに届けること。

2016年『ハタオリマチフェスティバル』はこれら全部が初めてで、企画立ち上げの頃には、まだまだ理想的な形が見えていませんでした。

前の記事で書いたように、最初のハタフェス企画で僕に託されたことは「5ヵ所くらいの工場(機屋)を会場に、作家さんを呼んでワークショップをやる」ということでしたが、

いざ工場の方々に聞いてみると、本当にやるべきことは、どうもあまりそういうことではなさそうだったのです。

何をすることが地域の機屋さんたちのためになるのか、
街のためになるのか、
どういうやり方が一番みんなが幸せなのか。

見通しがつかないまま、手探りで方向を見定めようとしていた感じです。

今でも考えていることですが、当時から考えていたのは

「どうしたら市場のなかで
“織物”(それもこの地域で織られているような織物)が
市民権を得て、身近に感じられるようになっていくのか?」

ということです。

そのためには、プロモーションという枠を超えて、有機的に人がつながる機会が必要だと思っていて。

そういうこともあって、初回はこの地域の織物に化学反応を起こしてくれそうな人に声をかけてイベントをつくりました。

しかし、そうは言っても、

ハタオリ単体としてはなかなか難しかったというのが正直なところでした。

そういうなかで冴え渡ったのは、〈BEEK〉土屋さんのアート・ディレクションでした。

僕ら3人の役割分担は
藤枝(ハタオリ担当)
赤松くん(マチ担当)
土屋さん(広報、スペシャルコンテンツ担当)で、

これは土屋さんが組んだものです。

『猿・富士山・織物』という3つの要素を入れたイラストをビジュアルにすることや
「ハタオリマチに響く音が聞こえる」のキャッチコピーも
このときのアイデアが継続し、ハタフェスを象徴する大事な要素になっています。

また、このときのハタフェスの主たるイベントは
『ハタオリ工場祭』『よしだのまちの道具市』の2つのマーケットに分けられ、

さらにスペシャルコンテンツとして、
写真家・濱田英明さんの写真展、
音楽家・田辺玄さん森ゆにさんの演奏会を企画することにしました。

そして、
濱田さんの写真と映像にかけあわされた
田辺玄さんと森ゆにさんのオリジナル楽曲による
プロモーションムービーも制作されました。

ハタオリマチノキオク

この映像は、今なお受け継がれ続ける名作です。
まだ見たことのない方はぜひ一度ご覧ください。

また、ハタオリコンテンツとしても手探りで見つけた

流しの洋裁人〉の原田さん
rumbe dobby〉の佐藤さん
Fumi Hotta Design〉の堀田さん
〈ハタジョ〉のみんな
terihaeru〉の小島さんら、

これがきっかけで交流が生まれ結ばれたクリエイターとの出会いは、その後のイベントや産地の取り組みの軸になっていきます。

あとは、日本のものづくりの現場を紹介するメディア『しゃかいか!』の密着取材ですね。初開催のイベントに2つ返事で取材に応じてくれて、当日の様子をどこよりも(自分たちの報告書よりも)詳しく、楽しくレポートしてくれました。

そんな楽しいレポートはこちら

回を重ねてもかならず取材に来てくれるメディアとの関係も、このときから始まったのです。

手探りでスタートした2016年初回の『ハタオリマチフェスティバル』。
まだまだ書き足りないことだらけですが、ぼくの視点ではこういう感じです。
チャンスがあれば、赤松くんと土屋さんにもインタビューできるといいかもですね。

それは置いておいて、次回は二回目のレビューへ。
ハタオリの試行錯誤はまだまだ続きます。

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藤枝 大裕

〈装いの庭〉主宰 / 『ハタオリマチフェスティバル』企画運営
服飾専門学校を卒業後、撚糸メーカーに入社。企画・営業職を経て、2011年に〈手紙社〉へ参加。さまさまなイベントや店舗の立ち上げと運営に関わる。『布博』企画立案者。2016年4月に独立。テキスタイル、ファッション、手芸にまつわる モノ・コトを今までにない目線でみつめ、その魅力を伝えるべく活動中。〈FUJIHIMURO〉のキュレーターとして、展示や企画を立案する。

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