FUJIYOSHIDA DIARY MAGAZINE

コミュニティ

森口 理緒

2021.07.14

ハタオリ文化人類記11「富士吉田の布」

全国津々浦々、
日本には織物産業がさかんな地域が、
20以上もあることをご存知ですか?

ジーンズで有名な岡山も、
タオルの今治も、
数ある織物産地のひとつ。

ですが織物産地すべてに
ジーンズや
タオルなどの
誰でもわかる代名詞が
ついているわけではありません。

富士吉田市も織物産業がさかんですが、
さまざまな用途の生地を作れるので、
わかりやすい代名詞がつかない産地の代表格。

「富士吉田ってどんな生地を作っているの?」

と聞かれたら、なんといえばいいのだろう。

このふたつの特徴を知っていれば、
きっとみんな聞かれたときに困らない! 
と思うキーワードをご紹介します。

その1 ツルツルしなやかな生地

昔からシルクの織物を作っていた経緯から、
今ではシルクに限らず
光沢のあるさまざまな糸を扱うことに長けています。

代表はスーツの裏地。

着脱の際や腕を動かすとき
ストレスなく腕が動かせるように
〈キュプラ〉や〈ポリエステル糸〉で織った
なめらかな生地を使います。

富士吉田は、
糸を染めてから色柄を作る「先染め」
の袖裏地をとても多く生産しています。

そしてネクタイ。

細いシルクやポリエステルなどを
たっぷりと使うことで、
細かな柄を精密に作ることができ、
細い糸なのに生地に厚みやボリュームを
出すことができます。

その厚みや色の鮮やかさが
首元を華やかにしてくれるので、
糸の密度は織物を作る上でとても重要なポイントです。

その2 柄を織る

絵やプリントとはまったく異なる方法で
絵柄を表現する「織る」という行為は、
糸同士の重なりによって柄を表現できるので、
色同士の微妙なグラデーションを作れたり、
糸を意図的に浮かせて
柄自体をひらひらさせたりできるのです。

富士吉田で作られているのは、
こうしたカラフルな糸や
さまざまな素材を使った生地、
そして現在では、ツルツルとした生地だけではなく
あらゆる質感の生地も作られているのです。

個人的にほかの産地に行く機会が多かった5月。

ほかの地域で作られている織物を見たことで、
あらためて富士吉田が作っている生地の特徴を
考えるきっかけになりました。

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森口 理緒

富士吉田市繊維産業活性化地域おこし協力隊

大学在学中、山梨ハタオリ産地のWEBサイトを運営するデザイン会社〈トリッキー〉で学生ライターをしていたことがきっかけで、繊維産業に興味を抱く。大学卒業後、富士吉田市繊維産業活性化地域おこし協力隊として活動しながら、工場とデザイナーをつなげる存在になれるよう勉強中。

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