FUJIYOSHIDA DIARY MAGAZINE

土地・環境

藤崎 仁美

2022.10.21

草木とともにあるくらし 07

10月の富士吉田

9月の最後の日、富士山のあたまに雪がすこし降りました。

晴れたので雪はすぐに溶けてしまいましたが、季節が変わったのをしみじみと感じました。

これからだんだんと冬の富士山に向かっていくのだなと思います。

10月に入ると朝晩がぐっと寒い日も増え、こたつとストーブも使い始めました。

前回こたつをしまったのは5月ごろだったかと思うので、夏の間以外は1年の半分以上は寒いんだなぁ、とあらためて思います。

朝晩の寒さはちょっとつらいけれど、だんだんと山が色づいてくる富士吉田の秋は美しくて大好きです。

きっと来月ごろには、紅葉が楽しめるのではないかなと今から楽しみにしています。

さて、秋といえば、収穫の時期。

畑で収穫したさつまいもがあったので、干し芋をつくってみることにしました。

干し芋を作るには、まずさつまいもを蒸して、火からあげたら、熱いうちに皮をむく。

そして冷めてから薄く切ります。

最近お家にやってきたフードドライヤーで、じっくりじっくりと乾燥させていくと、干し芋が完成しました。

安納芋などの甘いさつまいもよりもあっさりした甘さでしたが、素朴なあじわいが美味しいです。おやつにいい感じです。

難しくなかったので、またつくろうと思いました。

10月の草木染め

秋になると、綺麗な青い実をつける臭木(クサギ)という植物。

名古屋に住む母が、実家の近所で見つけたものを送ってくれました。

がけのような場所や思いがけないところで育っていたりする植物で、葉っぱが少し独特な匂いのする植物だからか臭木という名前ですが、草木染めをする人たちのあいだでは、とても貴重で愛されている植物です。

残念ながら、富士吉田で見かけたことがないのですが、いつかどこかで出会えたらいいなと願っています。

マリンブルーのような、うつくしい色の実。

この実は、しばらく乾かしておくと乾燥して黒くなってしまうのですが、そのように乾燥してしまうと、煮だしても色が全然出てくれませんでした。生の実でないと染められないと知りました。

新鮮な実をすぐに使えない状況の場合は、実を冷凍すると保存ができるとのことだったので、今回は冷凍をし、時間をゆっくりとれる日に、煮だしていきました。

実をつぶしてから煮だしていくと、きれいな青緑色の色があらわれてきます。

そして、手元にあったシルクの布を染めていくと、だんだんと色があらわれてきました。

最終的には、淡いミントグリーンのような、透き通った青磁のような色になってくれました。

秋だからこそ染められる、臭木の色です。

富士吉田の秋は短く、すぐに冬がやってきますが、短い秋の季節、今だから味わえる自然の美しさや、旬の食べ物、秋の草木の色を楽しみたいと思います。

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藤崎 仁美

1989年名古屋市生まれ。大学ではフランス語を専攻。大学在学中、〈フジファブリック〉のイベントのために、はじめて富士吉田へ訪れる。卒業後は愛知県のエンジニアリング会社で総務を経て、社内異動によりNX(3DCAD)の講師を務める。
そのころ、仕事のかたわらで週末京都の学校に半年間通い、草木染めや手織りを体験。染織や自然と親しむ暮らしがしたいと思うようになる。そして、2015年、〈宮下織物株式会社〉へ入社するために富士吉田市へ移住。未経験から、ジャカード織物の機織り職人として6年間勤務し、2022年春に退職。
現在は、染料植物を育てて草木染めをしたり、植物と親しむ暮らしを楽しんでいる。

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