こんにちは、8月ですね。
昨年に続く猛暑は富士吉田も例に漏れず、それでも毎日朝から畑をがんばっています。
こんな時にはキンキンに冷やした水出しハーブティーが沁みますね。
さて先日、富士登山のトレーニングとして富士山の麓をハイクしてきました。
今回登ったルートは馬返しから富士山6合目まで。
馬返しは1合目より手前、標高1,450mの吉田口登山道の中継地点です。今回馬返しまで車で移動しました。
昔、富士山を登る人たちが馬に乗って馬返しまで行き、この先は道が険しくなるため馬たちを下山させ徒歩に切り替えて進んだことが由来だそうです。
また、四つ足の動物は神聖な富士山に踏み入れさせてはいけない、との考えもあったようです。
信仰の山、富士山ならではのエピソードですね。
準備運動をしていざ登り始めると、ある程度の間隔でこのように石が敷き詰められた一角が登場します。
最近富士山のガイドの勉強をしている友人に聞いてみたところ、これは『浸透枡(しんとうます)』という雨水を地面に吸わせるための工夫だそうです。
大雨が降って水が流れる際に、溶岩質の崩れやすい土壌が侵食されないように流れを堰き止めてくれる、登山道を守る重要なシステムです。
1合目付近を歩いていると大きなトウヒの木を見つけました。
トロピカルな香りのドイツトウヒは知っていましたが、日本のトウヒを見るのは初めてです。
新芽の香りを嗅いでみると、ほろ苦く爽やかなホップと柑橘のような香りでクラフトビールっぽさを感じました。
3合目まで行くと見晴らしのいい場所に辿り着きました。
遠くの山のグラデーションを眺めながらしばしの休憩。
この辺りにはナナカマドやバイカウツギが生えていました。
(木にぶら下がる地衣類のサルオガセ)
この日は、ゆっくり歩く私たちを尻目に軽やかに走り去っていくアスリートたちがたくさんいました。
溶岩質の凸凹した地面や不均整な階段など整っていない地面で、足の着地点を瞬時に判断して登っていく姿はまるで森を駆ける鹿みたいでした。
かっこよかったです。
富士登山競走の日が近かったので、出場に向けて練習する人達だったのだと後になって気がつきました。
(ハクサンシャクナゲの花)
5合目近くにもなると植生も高山植物に変わってきます。
多様性のある樹木も標高が高くなるにつれ唐松の割合が増えてきます。
(バラの原種、高山植物のタカネバラも見れました)
5合目に差し掛かろうとした時、草むらからガサガサという音が聞こえ、注意深く振り返るとそこには大きな獣が、!
なんと野生のカモシカが目の前に現れました。
(写真で見ると犬みたいですがウシ科らしくどっしりした体格でした)
カモシカはおとなしい動物で滅多に攻撃してくることはありません。しばらくうろうろしてゆっくり道を降りていきました。
カモシカは日本で唯一の野生のウシ科動物。ヤギやウシ、シカの祖先はカモシカなんだそうですよ。
カモシカとの遭遇ハプニングもありましたが、無事5合目到着!
本来の目標はクリアです。
というのも、今回の山行は当初5合目がゴールだったのです。
(5合目から少し登ったところで見つけた寄生植物、オニク)
ですが、ここまで来る道中で陽気な登山親子に出会い、
「5合目までいくなら6合目まで行けるよ。見晴らしがいいから行っといたほうがいいよ。」
とアドバイスをいただいたのでした。
(日蓮が法華経を埋めた逸話のある八角堂)
佐藤小屋の前のベンチで景色を望みながらお昼を食べ、せっかくならと6合目へ踏み出しました。
歴史ある八角堂を超え、また歩き、ひたすら登り。
「あのおじさん15分で着くって言ったのに全然着かないよ!」と愚痴をこぼしながらもなんとか6合目に辿り着きました。
(左から富士河口湖町、富士吉田市、忍野村)
森林限界で溶岩がむき出しの6合目。
急に見通しが良くなって今まで見えなかった登山客の多さに驚きました。
スバルライン5合目からこちらまで、国内外から来た方達が列をなしているのが見えました。
風が吹き荒れる中、お昼に残しておいたみたらし団子を食べました。
次はてっぺん行くからね、と山頂方向に意気込んで下山します。
帰りは、ゴミ袋と手袋を装着しマウンテンクリーンをしながら下山。
神聖な富士山、一見ほとんどゴミらしきものは落ちていませんでした。
地面を念入りにチェックしながら進むと年代物を発見。
(溶岩が貫通している)
馬返しまで降りてみるとゴミ袋はずっしり、2~3kg分のマウンテンクリーンができました。
地面ばかり見ていたのでキノコもたくさん見つけました。
予定外にルート延長しましたがやっぱり6合目まで行ってよかったです。
溶岩のジャリジャリした地面を歩く感覚をリハーサルできました。
9月の富士登山に向けてこれからもトレーニングを続けたいと思います。
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