原田美優

2026.05.19

ふもとのひととき -ふわふわわらび-

『のうとり』
富士吉田にやってきてから初めて知った言葉のひとつです。
皆さんは『のうとり』を、知っていますか?

富士山の雪解けが始まる頃、富士山の斜面7~8合目付近のくぼみに、ある鳥が訪れます。
その鳥は古くから地元の人たちに愛され、富士五湖地域の農作業を始める季節になったことをお知らせしてくれるそうです。
その名も 『農鳥(のうとり)』。

農鳥が見られるようになるのは例年4月下旬から5月中旬。
ゴールデンウィークあたりで見られることが多いそうですが、その年の積雪量や風の強さ、春先の天候によって出現する時期は毎年変わるそうです。

今年は4月17日に確認され、過去10年間で最も早い出現となりました。
ちょうどその頃写真を撮っていたので載せておきます。

綺麗な農鳥、わかりますか?
もう少しよく見てみると…

アヒルちゃんのような、鳥の形をした雪形が見えます。
これが、農鳥。
この可愛らしい雪形が見えるようになったら、春の合図です。

そんな合図とともに、私の元へ春の山菜『わらび』がやってきました。
届けてくれたのはいつもお世話になっている、地域おこし協力隊の馬場くんと市役所担当課の滝口さん。
もりもりとした採れたてのわらびを、まるで花束のように届けてくださいました。

ふわふわでくるんとした穂先に、シャキッと背伸びをしているような姿のわらび。

前回の記事で『旬の食材を思いきりたのしむこと』を大切にしたいと綴っていたのですが
こんなにも早く、自分の元へ来てくれるなんて。
しかもスーパーで手に入れたわけではなく、山菜採りのお裾分けだなんて…!
そう思うと馬場くんと滝口さんの手に握られたわらびちゃんが、なんだか愛おしくなってきました。

せっかくなので、新鮮なうちに下準備をしようと思い、早速アク抜きに挑戦。
山菜を調理するのは初めてなので、「これで合っているのか…?」と少し不安になりながらも
調べた情報を頼りになんとか終了。
アク抜きを終えたわらびをそのまま齧ってみたら、爽やかな香りが鼻に抜けて、森の中にいるような気分になりました。

初めて自分で下準備をしたわらび。
シンプルなお浸しにするか、他の食材と煮てみるか、漬物にするかなど、色々なレシピで迷いましたが…
油揚げと一緒に、炊き込みご飯にして食べてみました。

味付けはシンプルに、白だしと少しのお塩。
少し歯応えの残ったわらびと、お出汁を吸った油揚げの組み合わせが最高でした。
いただいたわらびは全て使い切ってしまったので、わらび料理は炊き込みご飯のみ。
次に山菜を手に入れた時は、もう少し色々なお料理に挑戦してみたいです。

ずっと山菜に興味があったのに「下処理面倒そうだな」と、この1年間自分で調理してこなかったので
今回やっと、山菜沼の入り口に立ったような気持ちになりました。

こうして山菜沼の入り口に立ったわたし。
すると、まるで山菜たちがわたしを沼へ引きずりこむような一日がありました。

それは毎月開催しているごはん会。
5月のテーマはなんと『春の山菜満喫ごはん』だったのです。
山椒、わらび、こごみ、山うどなどの山菜をたくさん使用した、香りも食感もたのしいごはんたち。

わらびと山椒の葉は、炊き立てのごはんと混ぜて塩おにぎりにしました。
シンプルな味付けなので、山菜の香りとお米の美味しさを強く感じられ、とても美味しかったです。
個人的に好みだったのは、歯応えが良く、くるんとした形が可愛いこごみのお浸しです🌱

ちなみに、塩おにぎりを作るときは手に塩をつけて握るのではなく
手を濡らすときのお水に塩を入れ、塩水で握ると満遍なく塩味がついて美味しいですよ🍙
(思っているよりしょっぱめな塩水にするとちょうど良かったりします)

山菜のお裾分け、山菜尽くしのごはん会…。
5月は山菜をたくさん食べられたので、来年こそは、自分の手でとりに行きたいです。
残りの5月も山菜沼にどっぷり浸かりながら、次の旬をたのしみに過ごそうかと思います。

それではまた、次のひとときで。

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原田美優

ふじよしだ定住促進センター / よしだの暮らしの相談室スタッフ

出身地
栃木県さくら市

プロフィール
日本大学芸術学部デザイン学科を卒業後、商品デザインやSNSの運用に携わる。
2024年に夫の出身地である富士吉田市に移住し、これまでの知識を活かしながら日々の暮らしを移住者の視点で伝え広めていきたいという思いから〈ふじよしだ定住促進センター〉で移住定住のサポートや空き家バンク運営を担当。
天気のいい日には必ずといっていいほど富士山を撮影し、休日には自分の中での『NEW富士吉田』を開拓している。

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