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上田 潤

2021.04.22

上田潤の地域福祉とふじよしだ09「ソンミサンマウル」

まちの起業を伝える本「ソンミサンマウル」

前回の連載で、”地域福祉の主体は住民”ということについて述べました。そこで色々と調べてみたところ、韓国にも、住民活動が盛んなコミュニティを発見しました。今回はその好例から、住民主導のまちづくりについて考えたいと思います。

そのコミュニティとは「ソンミサンマウル」。

ソンミサンとは地名ではなく、ソウル市内にあるソンミ山(サン)のこと。そこに日本語で「まち」という意味の「マウル」がくっついて、いつしかソンミサンマウルと呼ばれるように。ソンミ山周辺の主体的な住民コミュニティの総称です。

■ソンミサンマウルの歴史
1994年、25世帯の子供を持つ夫婦が集団移住したことから物語は始まります。

この25世帯の夫婦はまちの保育所運営に対し、安心して子どもを預けることはできないと判断。そこで自分たちで出資して、新たな保育所をつくったのです。そこから食堂、カフェ、劇場、生協などが誕生し、今では金融機関や学校まで設立されています。しかもこれらの事業はすべて、住民コミュニティから自発的に生まれ、住民の手によって運営されているというから驚きです。(現在稼働している事業や活動は70以上ともいわれている)

無料画像のソンミサンマウルの街並み写真

■コミュニティの文化
ソンミサンマウルの住民には、以下のような特徴があるといいます。

◯対話を大事にする
まずよく話すこと。コミュニケーションが取りやすいように、あだ名で呼び合う習慣もあるるのだとか。会話の量を増やすことで、事業のタネである地域課題を発見したり、誰かのやりたいことを共有したりできます。思ったことを言い合って、ケンカに発展することもしばしばとか…

自分たちに必要なものは、自分たちでつくる
ソンミサンマウルの人々は、“自分たちはどう暮らしていきたいか”をよく考え、大切にします。まちの主体は自分たちだと認識しているからこそ、「あれがこうなったら、こんなものがあれば…」といったアイデアを実行する前向きさや、高い当事者意識が自然と生まれてくるのでしょうね。

活動はやりたい人がやる
活動を強要することはせず、やりたいことがあったら、それをやりたい人たちで実行する。自分が参加しない活動や事業に対しては、口を出さず、静かに見守るのだとか。たしかになにかを始める時、当事者以外が反対したりでなかなか進まない、みたいなことありますよね。ある意味、”やりたい人が勝手にやればいい”という意識をお互いに持っているから、活動や事業を始めるハードルが低く、はじめの一歩を踏み出しやすいのかもしれません。

■まちづくりってなんだろう
住民主導のまちづくりで有名なソンミサンマウルですが、数々の事業や活動はまちづくりを目的として行われているようにはあまり思えません。各々の住民が、自分たちはどう暮らしたいかを考え、理想に向かって前向きに進む力強さが、結果として今のまちをつくっていったのだと思います。

ともすると僕たちは、まちづくりをしようなんて大それたことを言ったり、考えすぎてしまっているのかも。

もう少し肩の力を抜いて、シンプルに考えることも大切かもしれませんね。

自分が見つけたあったらいいなを形にしていけるように、楽しみながら少しづつでも前に進んでいく。そんなことが誰かのためになったり、役に立ったら万々歳、くらいに。

そんなことを、思いました。

韓国のお酒
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上田 潤

富士吉田市地域おこし協力隊

山梨県南アルプス市出身。大学進学を機に上京した後、数社のジョブホップを経て2020年10月から〈富士吉田市地域おこし協力隊〉に。
これまで〈星野リゾート〉でサービスマネージャー、岡山の倉敷美観地区に拠点を置くローカルベンチャーで地域商社事業部の立ち上げや人事を経験。協力隊着任前は、キャンプ場や研修施設を運営する会社で山中湖の施設のマネージャーを担当。そこで開かれたイベントで、富士吉田市で活動する人たちと出会い、「富士吉田の人と地域」に魅力を感じ現在に至る。
地域の人と人との関わりが拡がるようなコミニティデサインの構築を目指し、地域福祉や飲み屋街の活性化、アキナイ創りなど、好奇心旺盛に富士吉田市の可能性を感じる毎日。地域に眠っている「ネタ」を事業の「タネ」と前向きに捉え、地域を面白がるガキ大将。

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