ハタオリマチフェスティバル前夜のこと
『ハタオリマチフェスティバル』は、富士吉田市役所富士山課から委託を請けた3人が中心となって企画しています。
1人は、〈BEEK magazine〉編集長で、山梨のおしゃれな人はだいたい友だちのアートディレクター土屋誠さん。
1人は、初回の2016年当時に〈Hostel SARUYA〉の協同代表を担い、現在は〈ふじよしだ定住促進センター〉の理事を務める、大人な物腰と映えすぎる顔面でメディアからひっぱりだこの若き志士、赤松智志くん。
そして、ぼく。ぼくはもともと東京で〈手紙社〉という会社に勤めていました。その前は撚糸という、糸を撚って織物やニットの工場に出荷するメーカーで営業をしていました。そんな背景もあって布にかかわる作家さんを紹介するイベント「布博」を立ち上げ、独立してからも繊維産業のことを軸に据えて活動するべく〈装いの庭〉という屋号を掲げています。
そんなぼくが、ハタオリマチフェスティバルに関わるきっかけになったのは、土屋さんからのお誘いでした。
「富士吉田で織物をテーマにしたイベントの依頼があるんだけど、一緒にやってくれない?」
土屋さんとは、2016年に山梨に移住する少し前、たまたま知り合うことができ、住むところや仕事のことを相談に乗ってもらっていました。いざ移住して何ができるだろうかというタイミングでの願ってもないお話。当初は「工場に作家さんを呼んでワークショップを5ヵ所くらい」という依頼内容でした。
しかし、そこから事態は大きく動き出し、今では二日間のイベントで130組近い出店者、1万人を越す来場者のイベントとなりました。果たしてハタフェスはどのような経緯を経て成長を遂げていったのか、次回は第一回2016年のハタフェスの裏側をお伝えします。